いきなりの敗北宣言で恐縮なのだが、ジャンゴ・ラインハルトは私にとってギターヒーローであり、よって本作「永遠のジャンゴ」を公平にジャッジしたり、客観的に語ることは難しい。前もって予防線を張っておこうという、汚い作戦である。
さて、2010年代は音楽映画の良作・佳作が多く作られ、一種バブルのような様相を呈しているが、よもやジャンゴ・ラインハルトの映画まで作られるとは思わなかった。しかも舞台は第二次世界大戦、ナチス占領下のフランスである。
本作は小さな作品で公開館も少ない。「ジャンゴって誰だよ」という方も居るだろうし、「またナチス・戦争モノかよ」と食傷気味の方も居るだろう。むしろ「観る候補にすら入っていない」人が大半なのではないだろうか。リテラシーの有る無しでも評価がかなり別れると思う。
だが、それだけで「観ない・選択肢に入れない」のは少々勿体無い作品である。なので映画評としては少々珍味なような気もするが、まずは本作に関するキーワードを書き出してみることにする。