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「We Love Television?」で突きつけられた「なんでそうなるの」

シーズン野田 シーズン野田


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でも一度だけ(小学生の頃なので記憶も定かではありませんが)テレビの特番でコント55号のコントを観たことがあって、抱腹絶倒の横に描かれる挿絵のように腹を抱えて大笑いしたのを覚えています。欽ちゃんと坂上二郎さんが縦横無尽に舞台上を飛び回り、何が起こるのかわからないハラハラ感とともに、もう彼らが何を言っても笑うという状態になったのです。まぁ小学生ですから、箸が転がっても、土地が転がっても面白いのだと思いますが、とにかくショックな出来事でした。家族みんなで大笑いです。

その後、バラエティ番組で他のタレントが欽ちゃんの異常性を語り、遠回しに欽ちゃんのヤバさを知ることになりました。
その決定版が今回の映画。欽ちゃんの異常さとヤバさが画面からずっと放出されていました。アウトレイジよりよっぽどアウトレイジです。老人になった欽ちゃんからほとばしる狂気はヤクザが束になってもかないません。

https://img.cinematoday.jp/a/N0094515/_size_640x/_v_1505560001/main.jpg出典:シネマトゥデイ

監督はあの天才コンテンツメーカー、土屋敏男です(写真左)。ウッチャンナンチャンやとんねるずの番組制作に携わり、「進め!電波少年」で『ダース・ベイダーのテーマ』とともに登場するプロデューサーだといえば、思い出す人も多いでしょう。今更語るまでもありませんが、僕ら世代からしたらむしろ欽ちゃんよりもど真ん中な存在とも言えます。
毎分「次はどんな欽ちゃんがお目見えするのか?」とわくわくドキドキしながら本作を最後まで観続けることができたのは、さすが土屋監督の手腕なのでしょうか。

本作も電波少年でいつか見た拉致企画のように、監督の突撃から始まります。
「もう一回30パーセント番組やりませんか?」
突然自宅に現れた土屋監督にそう不意を突かれ「今、欽ちゃんに頼む人はいない」と涙目になる欽ちゃんの姿には胸を打たれます。欽ちゃんは、テレビのバラエティそのものを作ったような言わば神様的な人です。その功績に反して、最近はあまり露出が少ない。たけし、さんま、タモリの陰に隠れているような、そういえば欽ちゃんって奴がいたよな、という日陰の存在です。そのことに、本人の口から突然言及され、自分も不意を突かれたのかもしれません。

劇中、欽ちゃんの言葉は冴え渡り、巧みであり、狂っていました。でも、それだけじゃない欽ちゃんの「言葉にならない言葉」との不意打ちの出会いもまた、本作の見どころです。それはなにも大げさなことばかりではありません。

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