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「アウトレイジ 最終章」まるで買物ブギーな臭いの話

シーズン野田 シーズン野田


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たけしなだけで面白い!

色々思うことはありつつも、一つの映画として、結局はとても楽しめました。冒頭の、車を俯瞰で追い続けるシーンはいきなりカッコよかったし、たけし映画を観ているんだと興奮します。一体どうやって撮っているんだろう? ドローンにしては固定されているし、CG処理なのかな? とか、仲間と議論になるような謎のカットだったりして、ワクワクしました。

一番笑ったのが、北野武扮する大友の、突然の銃乱射のシーンです。

花菱組の集まりで、西野(西田敏行)が長い演説をするのですが、不意打ちで大友がやってきて、銃乱射して皆殺しにするんです。スローモーションで、打たれまくって血まみれになる組員。顔色変えず、無表情で銃を乱射する大友と市川(大森南朋)。わけがわからない。理由はわかるのですが、感覚的にわからない。西田敏行が完全にひいてるんですね。「お前、なにしてんねん」と、ただただ唖然とするばかり。アウトレイジの面白さは、理不尽から不条理への変容だと思っているのですが、今回唯一不条理さを感じたシーンです。

板尾創路監督作「月光ノ仮面」のスローモーション銃撃シーンを思い出しました。こちらもまた不条理です。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/91GNG4FTO2L._SL1500_.jpg出典:Amazon

少し難解な映画ではありますが、作家監督としての頼もしさもあり、実は第二の北野武なのではないかと思いながら鑑賞した映画で、とても印象に残っています。

さて、話を戻して、この映画の1番の見所はなんといっても(やっぱり!)監督自ら出演していることです! どの役者が出てくるカットよりもやっぱり画面がしまって見えるのは、北野武だけが役者ビートたけしを好き勝手使って描くことを許されているという、絶対的な事実が常に裏付けられているからだと思うのです。ウディ・アレンも、野田秀樹もそうですが、自分で作って自分で演じる人の凄みと自意識は、ソフトのためにハードを作るアップルや任天堂同様、何にも変えがたいオリジナリティを産み出すのではないかと。

どんなに滑舌が悪かろうが、演技に迫力がなかろうが、作品自体が武自身のセルフポートレイトとしての役割を果たしている以上、肯定も否定もそこにはありません。一般的な映画の良し悪しもあるのだけれど、そうじゃない、現代美術としての強度がたけし映画にはいつも備わっている。そんな邦画他にあるだろうか、いやない(反語)。

ということで、日本人なら武映画を観よ! そしていつか北野組の映画に出たい役者としての自分が再びうずくそんな映画でした。観て以来、毎日怒鳴っています。

スタッフのみなさん、お疲れ様だコノヤロー!

ちなみに、書いている途中で、街クリのフィクサー田中泰延さんが「アウトレイジ 最終章」の映画評を書いたことをツイッターで知り、読みたい衝動に駆られつつ、我慢して最後まで書き続けました。読んだら書けなくなること請け合いですからね。色々勝手なことを書き殴っているものの、基本的には田中さんの感想と一緒だと思っていただけれ幸いです。

また、街クリの天才ライター加藤広大さんもまた今作のことを書いており、そちらも必読です。こちらも基本感想は一緒だと思っていただければ幸いです。同じ理由でまだ読んでません。

書き終わったので今から読んできます。こりゃ楽しみだぜ!!!

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