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編集部おすすめ文庫本ランキングトップ30

街クリ編集部 街クリ編集部


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近年芸能人の方が小説を出版したり、次々に実写映画化がされたりと小説が注目されることが多いです。文庫本を読んでみたいけれど、何から読んでいいかわからない方や新しいジャンルのお話に挑戦してみたい方へおすすめの文庫本をランキングにしてまとめてみました。恋愛ものからファンタジーものなどいろいろなジャンルがあるので是非活字に触れてみてくださいね。

1. 『ノルウェイの森』
村上春樹(1987年)講談社

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上下巻合わせて1000万部以上を売り上げたベストセラー小説。主人公は、37歳の男性。ある日飛行機中で「ノルウェイの森」を聴き、学生時代を振り返ります。そんな学生時代の記憶の中の直子との恋の話しを描いた話です。登場人物も直子に関わりのある人物が多く、主人公「ワタナベトオル」の親友である「キズキ」との友情のシーンもとても心に残ります。恋愛要素だけでなく、人間の弱い部分や怒り、喜びなどの心理描写や風景が丁寧に描かれています。上は赤色、下は緑色と村上春樹さん自身が手がけている装幀そうていにも注目してみてください。2010年に主人公を松山ケンイチさん、直子を菊地凛子さん、キズキを高良健吾さんが演じる実写映画も話題になりました。原曲「ノルウェイの森」も映画に取り入れられており、音楽の雰囲気を物語の情景と一緒に味わうことができます。本と合わせて楽しんでみてください。

2. 『64』
横山秀夫(2012)文藝春秋

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警察職員の中の刑事にスポットを当てた推理小説です。光の当たらない闇の部分を描いています。主人公は、D県警察本部の警務部秘書課調査官警視の「三上義信」刑事になって3年目に広報部への異勤を命じられるところから話が始まります。刑事から離れた期間にも主人公の刑事への思いが表現されていて誇りを持って仕事している姿が見られます。再び、刑事に戻った三上は、新たな事件に直面していきます。7日間で終わった昭和64年に起こった誘拐殺人事件を「ロクヨン」と名づけて事件を追っていきます。時が経っても中々解決しない事件を、主人公は解決することができるのか上下巻に分かれたボリュームのある内容になっています。2015年にはNHKの土曜ドラマにてピエール瀧さんが主演を演じました。2016年には、瀬々敬久さんが監督。主演を佐藤浩市さんが演じる実写映画が公開されました。

3. 『告白』
湊かなえ(2008年)双葉社

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『Nのために』『少女』『白ゆき姫殺人事件』と名作を生み出している湊かなえさんのミステリー小説です。学校のプールで教師「森口悠子」の一人娘が殺されてしまった事件の説明から話が始まります。事故死と判断された事件でしたが、その教師はクラスで「少年A」と「少年B」に殺されたのだと告発します。推理が進んでいくにつれ、娘の事件の真相に近づいていきますが、この小説は語り部を変えることによって事件を紐解いていく内容になっています。最後には綺麗に伏線が回収されるので一緒に推理をしながら読み進めることができます。「告白」は湊かなえさんのデビュー作なのですがデビュー作とは思えない完成度にびっくりさせられます。そして賞もとっており2008年には「週刊文春ミステリーベスト10」で1位。「このミステリーがすごい!」で4位にランクインするほど売れてる小説です。主演を松たか子さんが演じ実写映画化もされているので合わせて見てみてくださいね。

4. 『何者』
朝井リョウ(2012年)新潮社

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第148回「直木三十五賞」の受賞作。主人公の「二宮拓人」は大学四年生。学生サークルで演劇の脚本を作ることに関わっていましたが、就職活動に専念するために辞めてしまいます。同じく学生サークルで演劇の活動をしていた銀次は、就職活動をせずに劇団を設立し活動しています。将来の為に夢を諦めた人と夢に向かって進む人が対局的に描かれています。就職活動を通し、新たな友達に出会い情報交換をすることに。拓人は持ち前の観察力で相手の心情を探っていきます。Twitterを通して、描かれる嫉妬や感情表現も細かく描かれていてSNS、ネット社会が流行っている世代にとっては非常に読みやすい小説です。本音を隠して、表面上は仲良くしながら裏では本音を吐き出すという人物たちを裏側から覗いているような気持ちになるお話です。2016年には佐藤健さん主演の実写映画化、2017年には阿部顕嵐さん主演の舞台化が予定されています。

5. 『コンビニ人間』
村田沙耶香(2016年)文藝春秋

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2016年に「文學界」にて連載。同年7月に書籍化され、第155回「芥川龍之介賞」を受賞したことでも話題になった作品です。作者の村田沙耶香さんがコンビニエンスストアで働いていた実体験を活かした内容になっています。受賞前も週に3回働きながら小説を書くという生活を送っていたそうです。主人公の「古倉恵子」は30代半ばでアルバイトを続けています。人との関わりをあまり持たなかった彼女が働いていくにつれて周りの人間と関わっていくようになります。コンビニ中心の日々を続けていく中である日、「婚活」が志望動機という男性がコンビニで働くことになりました。この男性「白羽」に出会うことによって2人は同棲することに。古倉の少し変わった価値観が読んでいてとても面白いのでサクサクページが進みます。コンビニエンスストアを中心に巻き起こっていく話は親近感も湧き、読みやすい作品です。

6. 『アヒルと鴨のコインロッカー』
伊坂幸太郎(2003年)東京創元社

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第25回「吉川英治文学新人賞」を受賞した作品です。ボブ・ディランの「風に吹かれて」の曲がキッカケで広がっていく人間関係を描いたミステリー小説です。大学に入学するために仙台に引っ越しますが、引越し先の隣の部屋に住んでいる河崎と名乗る男はディランの声を「神様の声」と話します。他にもよくわからない話を椎名を捕まえてはペラペラと話す謎の男。ある日、河崎は椎名に本屋を襲って「広辞苑」を盗もう、と持ちかけます。そして2年前にペットを惨殺する悲しい事件との関わりが明らかなになっていきます。ラストの衝撃が印象的で一度読み終え真実を知った後にもう一度読み返したくなるそんな作品です。2007年に濱田岳さん、瑛太さんが主演の実写映画化、2016年に舞台化された人気作品なので派生作品も合わせてお楽しみください。

7. 『夜は短し歩けよ乙女』
森見登美彦(2006年)角川書店

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第137回「直木賞」の候補として選ばれたり2007年の「本屋大賞」の第2位を受賞しているベストセラー作品。京都大学周辺地域と似た風景を舞台にしています。あまりパッとしない大学生の「先輩」と先輩が片思いしている黒髪が特徴の「乙女」が登場します。登場人物2人の名前がでてこない不思議な小説です。この2人の視点からそれぞれに書かれる恋の物語を楽しめるので、恋愛小説が好きな方や様々な視点からスポットを当てた文章が好きな方にはおすすめの作品になります。恋愛だけでなく、不思議な事件に巻き込まれてしまったりとファンタジー要素も含まれています。2017年にアニメ化されており、星野源さんが声優を務めたことでも話題となっています。

8. 『向日葵の咲かない夏』
道尾秀介(2005年)新潮社

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小学4年生の「ミチオ」は、学校をよく休んでいるクラスメイトのS君にプリントを届けるために家に訪れました。そしてその時に首を吊って死んでいた彼の姿を目にします。担任の先生に伝えると刑事と先生でなんとかするからとその場を離され、のちにS君の死体などその場になかった、ということを告げられます。確かに死体を見たミチオは疑問を抱えながら毎日を過ごしますが、ある日S君だという男の子が現れて「自分は殺された」という事実をミチオに話します。不思議な体験をキッカケにS君を殺した真の犯人探しがはじまります。人間関係や素性をぼんやりさせたまま話が進んでいくミステリー小説です。かなりページ数が多くボリュームがありますがミステリー小説ならではの「大どんでん返し」があります。物語の中の不思議な違和感を感じながら犯人を予想してみてください。

9. 『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
七月隆文(2014年)宝島社

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京都の美大に通い、作家かイラストレーターを目指す「高山高寿」は美容の専門学校に通う福寿愛美に出会い一目惚れしてしまいます。もう一度会いたいと思いふたたび会う約束を取り付けようとしますが、彼女は急に泣き出してしまう。何度か2人は会ううちに彼女が未来のことを知っているのでは? と思わされる出来事が多々起きて不思議なすれ違いが起こるようになります。そんな彼女にはある秘密が隠されていたのです・・・。逆らえない時間を軸に話が進んでいく恋愛小説です。京都を舞台に描いている作品なので、京都を知っている人には馴染みのある場所も登場します。涙なしでは見られない2人の関係に注目してみてください。2015年に「このマンガがすごい!Web」にてウェブコミックとしても連載。2016年には福士蒼汰さんが主演、ヒロイン役を小松菜奈さんが演じるで実写映画化も話題になりました。小説の中の景色を繊細に描いているので合わせて楽しんでみてください。

10. 『火花』
又吉直樹(2015年)文藝春秋

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お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんが書いているデビュー作品。第28回「三島由紀夫賞候補作」第153回「芥川龍之介賞」を受賞したことでも話題になりました。主人公は鳴かず飛ばずの芸人「徳永」がある花火大会で先輩芸人と出会ったところから話が始まります。笑いにおいて天才的な先輩と才能に伸び悩む凡人の主人公との対比が描かれていて、芸人など表現者として生きていく葛藤は見ていてとても切なくなります。又吉さん本人が芸人をしていることもあり、かなりリアルに仕上がっている作品なので触れたことがない方は是非読んで欲しいです。2016年にはネット配信ドラマ化、2017年に実写映画化の発表がされています。現在新刊『劇場』も発売されているので『火花』が好きな方も合わせて読んでみてくださいね。

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