• MV_1120x330
  • MV_1120x330

「必見!」とは言えない完全にどうかしてるミュージックビデオ達

加藤広大 加藤広大


LoadingMY CLIP

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

mv_dasa

Rush/Time Stand Still

「どうかしている/してしまったMV」は、カナダが誇る国民的グループであり、ロックの殿堂入りも果たしている偉大なるバンド、Rushですらうっかり生産してしまう魔力を持っています。

Reference:YouTube

ちょっとおかしい気もするけど、意外と普通なのかな? と徐々に押し寄せて来る違和感から一転、おかしさは加速度を増し一気呵成いっきかせいに狂い出すという、とてつもない突破力で腹筋を直撃してくる良作です。

これでもかと反復される回転と拡大・縮小のイメージは、まるで映像編集ソフトの使い方を覚えたての学生のように圧倒的な純真さと情熱、初期衝動が垣間見られ、一種の感動すら覚えてしまいます。

特筆すべき点は、通常、ダサい物にダサい物をかけ合わせると思わず格好良くなってしまったり、結果として笑えない物になってしまったりするものなのですが、本作は徹頭徹尾ダサい物の組み合わせで出来ているというのにダサさの強度を保持し続けているということです。

Spookey Ruben/These Days Are Old

日本人ならば多くがあのフレーズを耳にしたことがあるであろう名曲、Spookey Ruben の『These Days Are Old』も抑えておきたい1曲です。

Reference:YouTube

聴いてみればご存知「笑ってコラえて!」で使用されていたことで有名ですね。もうこの曲、邦題は「笑ってコラえて!」で良いのではないでしょうか。

雑に人が飛び、雑に巨大化され、雑に火が吹かれ、雑なワイプが出るあたり、それこそ笑いをこらえるのに精一杯ですが、笑ってばかりもいられません。

これまた雑なエフェクトやワイプとともに、次々と提示されるイメージと茶番劇はまるで古今東西のMVの複雑なカット・アップのようでもあり、今となっては鑑賞者に郷愁きょうしゅうすら抱かせる構造と力を持っています。

映像は雑、雑、雑と、雑の展覧会のようですが、この雑のパッチワークの上に、無駄にクオリティの高い楽曲が乗ると映像全体に深みが増し、何なら隠された意味があるのではないかと被分析性を誘発し、多くの人が時間を無駄にしてしまうのが罪深いと共に、数々の忘れられてしまったしょうもないMVとは一線を画す、記憶に残る作品として今なお語り継がれています。

街角のクリエイティブ ロゴ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP