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「スパイダーマン ホームカミング」僕はようやくスパイダーマン童貞を捨てた

シーズン野田 シーズン野田


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はじめての4D

実は、今更「スパイダーマン」を見るにはあまりに腰が重かったので、今回さらに新しい「初めて」を導入しました。

4Dというやつです。知っていますか?

映像に合わせて座席が振動したり、環境効果がプラスされたりするアトラクション型鑑賞スタイルです。端的に言えば「画面内と外との境をなくす装置」です。

ディズニーランドでいうところの「ミクロアドベンチャー」(今あるのかな)みたいなやつだと思います。4D映画はまだの人もミクロアドベンチャーならすでに体験済みなはず!

Reference:YouTube

15年以上前、ミクロアドベンチャーを最初に体感した時は、本当にすごいと思いました。画面から大量のネズミが逃げ出し、客席の足元まで来て「シュシュシュ!」と通り過ぎて行った時の驚きは今でも忘れません。細かい風が足に当たり、さもネズミが通り抜けて行ったよう感じるのです。隣のおっさんが悲鳴をあげていました。

あれ以来悲鳴をあげるおっさんに遭遇したことがありません

けんかしているおっさんはよくみかけますが。

あの頃は4Dという言い方はしてなかったと思うけれど、正確に言えば4D体験の初めてはミクロアドベンチャーですね。

で、もしかしたら、この4Dのせいでうまく物語に入り込めなかったのではないか? と感じているのです。

わからないことその3「4D」

まず、視点の問題です。これは見る前から若干懸念していたのですが、ミクロアドベンチャーだと、ワンシーンワンカットの長回しで、客と映像は地続きであるという設定です。

客がいるという前提で登場人物たちは話を進めていくわけです。いわゆる第4の壁を壊しています。ねずみが足元を通っていくのを体感するのは画面の人物ではなく、あくまでも座席の僕らであるという設定です。

まぁアトラクションってそういうものですよね。

しかし、映画というのは、基本的には映像の中の人たちだけに起こる物語です。スパイダーマンだったり、悪もんだったり、市民だったり。その場合4D演出は、劇中の彼らが体感したことを、客が体感しているように振り分けられます。

例えば悪者が倒れた時に振動が来たと思いきや、スパイダーマンがやられたときにもまた振動がくるようなことが起こるんです。そうなると見ているこっちは自分が善なのか悪なのか。どの視点で感情を読み取ればいいのかよくわからなくなるんです

普段できていることが急にできない。それが楽しくないわけじゃないんだけれど、正直入り込みづらかったです。

また、ただのカメラワークによって座席が動くこともあって、その都度フレームの外にいるんだってことを意識せざるを得ませんでした。

例えばクレーン撮影された箇所だと、視点が上がっていくカメラワークに合わせてなんとなく座席も動くもんだから、クレーンに乗っている気分になるわけです。

その気分自体は楽しいのだけれど、でもその時自分が感情移入をしている対象ってカメラマンじゃない?

そうなると、お昼ちゃんと食べたかな? とか、アシスタントは使えるヤツかな? とか、ホワイトとったかな? とか、そういったどうでもいいことが脳裏をよぎるんです。そこでもフレームの外が気になっている。

途中でストロボがパチパチ光るのも、客席が丸見えになるだけで結局フレームの外にいるということをその都度知らしめるだけだし、物語に入り込むどころか、むしろ観察者になってしまうんです。

ミクロアドベンチャーとは真逆の効果がもたらされている。

驚いたのは匂いです。車が登場するシーンでガソリンの匂いが充満するんです

これは初めての体験でした。

だからといってそこに車があるようにも感じないんです。しかもそのシーンで言いたいのが「車の排気ガスってくさいよね」ってことならわかるんだけれど、ってレベルであまり画面となじんでない。ちょっと気持ち悪くなってしまいました。

そもそも排気ガスの匂いなんかみんな知っているんだから、情報としては全く価値がないわけです。だったらスパイダーマンの匂いの方が知りたいんです。すんげー汗臭いとか、線香くさいとか、赤ちゃん臭いとか、蜘蛛臭いとか、知らなかったことを知る方が情報としての価値は高いと思います。

例え、なじんでなくてもスパイダーマンの公式な匂いを知ることができてお得感もあるし。

それと、これは自分だけなのかもしれないけれど4Dって眠くならないですか?

電車の揺れが眠気を誘うのと同様に、常に椅子が振動しているもんだから徐々に心地よくなっていくんです。スパイダーマンが敵と戦う最中、眠気と戦う自分がいて、4Dがまた背中のツボをいい感じで押してくれるもんだからまた眠くなります。

で、たまに飛んでくる水しぶきで目がさめるという。寝かしたいんだか起こしたいんだかわからない、なにかの拷問器具みたいだなぁと思いました。う〜ん。

わりと4Dに思うことがあり、もんもんとしていたんだけれど、これは映画によるのかもしれないです。

ゼロ・グラビティの長回しとか、スターウォーズの乗り物の浮遊感とか相性が良さそう。

ということで「はじめてのスパイダーマン」よりも「はじめての4D」の方が印象は強かったみたいです。

一度は体験してみるといいかと思います。ただ、通常の料金の倍近くかかり、エンゲル係数が一気に低くなるのでご注意を

ふと、冒頭で触れた「これまで感じたことのない種類の眼精疲労」の原因、思い当たりました。

おそらく3D眼鏡のせいですね。上映中何回も眼鏡をはずしたことふと思い出しました。すごくつかれるよね3D。

眼鏡をはずすと字幕がぼやけて読めないですし。3Dってこんなに疲れるもんでしたっけ。体の衰えを感じざるをえません。昔は平気だったのにな。たまには無理せずホームカミングします。ああまだ目が痛い。

スタッフの皆さん、お疲れさまです!

 

 

 

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