オマージュというなの走馬灯
ということで映画の話をしようと思います。まずはこちらご覧下さい。
Reference:YouTube
ご覧くださいました??
スタジオポノックの1作目とほざいているのですが、めちゃくちゃスタジオジブリじゃないですか??
魔女の宅急便はもちろんのこと、大きな雲はラピュタだし、悪者が出す魚みたいなドロドロしたキャラクターはポニョかハウルかに出てそうだし、崖の階段は明らかに千と千尋だし、その階段登ってる動物の騎士みたいなキャラクターも何かっぽいし(なにかわからん)、釜ジイみたいな博士もいるし、つうか主人公もトトロのメイちゃんみたいだし、とにかく予告を見るだけでもジブリ作品のオマージュで溢れかえっています。
実際本編を見ても、この予告編と同じくらいの割合で歴代のジブリを彷彿せずにはいられないシーンがてんこ盛りです!!!
木がニョキニョキと魔力で生えていくところはトトロを彷彿とさせますし、メアリと暮らしているシャーロットおばあさんと家政婦が出てくるシーンなんて魔女の宅急便に出てくるニシンのパイを作った老婦人と家政婦のシーンを思い出しすぎて、この家の時計遅れているよ!!! 時間間違えないでキキじゃなくてメアリ!! と、心の中で思わず叫ぶほどに酷似しています。
出典:IMDb
メアリが猫に誘われるように森に入っていく様子は、メイが小さなトトロを追いかけ茂みに入っていく場面を彷彿させるし、海外設定なのになぜか森の様子が日本らしくトトロやもののけ姫を彷彿とさせます。終始何かを彷彿とさせる「大彷彿祭!」なものですから、オマージュの出玉で、ストーリーを見失う現象が勃発します!!! 慌ててキャッチコピーを思い出しました。キャッチコピーは、話の筋を取り戻す魔法です。(「花戦さ」の回に書きましたね)。
この映画のキャッチコピーは「魔女、ふたたび」。というかこれじゃ「ジブリ、ふたたび」じゃないですか。
結局最後まで話が頭に入ってこないまま、気がつけばメアリがヤックルに乗っていました。
ジブリブリブリブリッ!! 状態で、便蓋が持ち上がっています。もうこれ以上は流せません。
さて、この露骨なジブリオマージュには、一体どのような意図があるのでしょうか。
おそらくマロはこの映画で、ミヤもパクも鎮魂し、日本人の多くにかけられたジブリの呪いを解こうとしたのではないでしょうか?
作品冒頭で、家政婦さんが「葬式うんぬん」と言っていたのですが(詳細は忘れてしまいました)、これは今作がミヤさんやパクさんに対するレクイエムであることを暗に示しているように思えます。度重なるオマージュは、ジブリの走馬灯として機能しているのです。
「とある魔女が、魔女をやめたにもかかわらず、その孫メアリが<ふたたび>魔女を始めてしまう」という話の内容も、ミヤやパクが辞めようが、多くのアニメーターがジブリの遺伝子を受け継ぎ映画を作ってしまうことに似ています。しかし、最終的にメアリは魔女を辞めることを選択します。これはマロのジブリへの決別の意なのではないでしょうか。マロの念、略してマロ念、「思い出のマロ念」を感じ取らざるを得ません。
だからこそラストで、メアリと彼氏のピーターが二人で滅びの呪文を唱えるところは、もうはっきり「バルス」って言ってしまってもいいのではないかと。もはや「言った!!! はっきりバルスって言った!!」と客席全員で素っ転びたかったです。「マルス」でも「ヘルス」でも「居留守」でも「ヘルペス」でもなんでもいいので、せめて「バルス」的なことを言ってくれよ、と。
もう似ているだけじゃ物足りない!! 完全なる一致により、作品自体が崩壊することを望む自分がいたのです。