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「ゴースト・イン・ザ・シェル」あの日見たメスゴリラの名前を僕達はまだ知らない

加藤広大 加藤広大


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極限まで知能指数を落とし、馬鹿になって観るスタイル

では、どうすればいいのか? 映画を観はじめて「え、原作と違うじゃん/ちょっとつまらないなー」と感じてしまった映画に対して、これを面白くする手段のひとつを私は知っている。

それは馬鹿になって観ることである。正確には、小学校低学年の頃まで知能を落として観ることである。つまり映画という娯楽がマジで超スーパーヤバかった頃に戻るのだ。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/05/gits_008.png映画という娯楽がマジで超スーパーヤバかった頃のイメージ

「ビル高いなんだかバカでかい映像とか写ってるヤバい。超SFっぽくてさらに超ヤバい。しかもビルから飛び降りるとかちょっとちょっとちょっとウルトラ正気の沙汰とは思えないこれがCGだとは俺思えないすげー。ゲイシャロボットってビョークみたいーうごきがキモいー! うわぁー撃ったぁー撃たれたあー倒れたあー死んだあー\(^o^)/スローモーションんんんー。(中略)なに、なにこのマンション、団地? 県営? あ、桃井か・・・お母さーん!(涙)」

と脳内に馬鹿という名のスパイスを過剰なまでにふりかけることにより、脳は「あれ? これって面白いかも」と騙され、嘘ではなく本当にテンションが上ってくる。そうなればこっちのものである。
 

陽性感情を持って作品に接すれば、世界の受け止め方はがらりと変わる。
 

私など、最初のほうは「いったい何なんだ! このスカーレット・ヨハンソンの肉襦袢(じばん)は! 乳を見せろ乳を!」とか「畜生! ライアン・レイノルズめ! スカーレット・ヨハンソンに好き勝手しやがって! デッドプール2でもっと酷い目に遭え!」

と、関係ない元旦那の話が出てくるほど少佐のぎこちない、スカーレット・ヨハンソンの無駄遣いとしか思えないグラマー要素皆無の方向性にキレていたのだが、気持ちを切り替え馬鹿になって観たところ、

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/M/MV5BOWQwN2RiMzctYjU4MS00NGFiLWI5ZDItZDhmOTJmMjExMDMwXkEyXkFqcGdeQXVyNjczOTE0MzM@._V1_.jpg!?(出典:IMDb

「もしかしたら、この作品はスカーレット・ヨハンソンの緊縛モノなのではないか」
 

と閃くに至り、瞬間、なんと目の前のスクリーンが桃色に輝きはじめた。

「私はサイボーグの役だから、ちょっとぎこちなく動かなくちゃね」

「サイボーグ・・・サイボーグ・・・」

そう心のなかで呟きながら一生懸命に演技するスカーレット・ヨハンソンを想像してみて欲しい。どえらいことである。
 

少佐だけではない、登場人物が次々と出てきたときも「うぉー! ブリーフィングルーム! バババババトォー目があるぅー! 課長! やっぱりタケシー! タ・タ・タチコマは出てくるのかなぁ? あ、トグサ、お前はないわ」
 

などと、延々と心が酸欠になるほど突っ込める。突っ込みながら観るものだから、面白くないわけがない。我に還らない限りは。

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