皆さん、早速ですが質問です。
ウディ・アレンを知っていますか?
もし知らなくても、しれっとSNSを更新するフリをしてウィキペディアを参照し、「思い出した! アメリカ合衆国の映画監督、俳優、脚本家、小説家、クラリネット奏者の人ですよね」と、知ったかぶりをする必要はありません。何も恥ずかしいことじゃないのです。夜回り先生も「いいんだよ」って許してくれるはずです。
映画のカメラをきちんと「キャメラ」と発音する映画通の方々にとっては「は? 知らない人いるの?」と、にわかには信じられないかもしれませんが、意外に知られていません。実際にうちの妹は知りませんでした。
妹「ウッディ?」
こんな具合です。つまり、休日にイオンモールに行くようなマイルドヤンキー連中は知らないということです。普通の人は知らない。それがウディ・アレンなのです。
しかし、自分の周りは映画監督やクリエイターが多いので「ウディ・アレンを知っているかい?」何て聞こうもんなら、業界であられもない噂を流され、決まりかけの仕事は全て競合に根こそぎ奪われるでしょう。
うちの妹がバカなだけだって? 実はそんなこともないのです。うちの弟も知りませんでした。絶賛知りませんでした。
「ウディだかナンチャンだか知らないけど、家に金入れろよ」
と返答され、興味すら示しません。お前の家族がバカの集まりなんだろ、と問われれば答えは別の理由でイエスではありますが、どうやらマイルドヤンキーとクリエイターの間には大きな溝があるようです。もし知らない方がおられれば、この記事を最後まで我慢して読んでいただき、ウディ・アレンを好きになっていただけたら嬉しいです。
変なユーチューバーばかり観ている場合じゃありません(妹と弟に言っています)。
本来なら、ただ今公開中の「カフェ・ソサエティ」を取り上げた方が、ネットの記事っぽくて閲覧数も増えそうなのですが、どうしても観る気になりませんでした。なぜならウディ・アレン本人が出演してないからです。
実はここ数年の彼の映画は、彼自身が出ないことが多く、映画館で観る気になれませんでした。ウディの映画にはウディが出るべきであると日頃から思っておりますので、今回は、ここ数年で唯一彼が出演した2012年の映画「ローマでアモーレ」を取り上げたいと思います。
本当に今さらの映画ですいません。