• MV_1120x330
  • MV_1120x330

心が迷子になったときに読むと、我に帰れるおすすめの本3選

羽深祥子 羽深祥子


LoadingMY CLIP

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

3. 『シーマン語録 現代人への185の賢言』
(著)シーマン(編集)斉藤 由多加(2001年)ダイヤモンド社

懐かしいですね、シーマン。2001年初版です。私がある制作会社でコピーライターをしている時、資料探しでふらふらと六本木の青山ブックセンターを物色している際に見つけて買いました。空前のヒットを放ったシミュレーションゲーム『シーマン』に出てくる小生意気な人面魚の言葉を綴った語録です。知らない人のために説明しますね。このゲームは育成している人面魚に向かって話しかけると、その内容に沿ったリプをしてくれるというもの。「早すぎたsiri」みたいな感じでしょうか。

そして帯に書いてあります、「人生に迷ったときに開く本」と。20代半ばで読んだときはもう付箋貼りまくりで、煮詰まった若きコピーライターの虎の巻としてデスクに積み上げていました。あれから20年弱経った今も、その付箋を剥がさないで良さそうな言葉がいくつかあります。

誕生日って、自分と知り合った日なんだろうね。そして死ぬときが、自分と別れる日。
引用:『シーマン語録 現代人への185の賢言』

すべての知り合った人とはいずれ別れる日が来る。というコメントの中でシーマンが発した言葉です。人との出会いや別れについて考えるとセンチメンタルになりがちですが、自分自身の中にもそれがあるんだよと。人面魚が低いトーンの声で教えてくれるわけです。

小さいうちが華よ、自営業は。
引用:『シーマン語録 現代人への185の賢言』

職業は「自営業」と答えたユーザーに対するコメントだそうです。会社員時代は気づかなかったけれど、今はちょっと胸にプスっと刺さりました。確かに大きくなれば小回り利かなくなるものですよね〜と、なんだかシーマンとお酒を酌み交わしたくなってきました。

本当の勉強っていうのはなぁ、路上でするもんなんだよ。
引用:『シーマン語録 現代人への185の賢言』

もっと勉強していたいと望んでいる社会人に対するコメントだそうです。ちょっと今夜赤ちょうちんに誘ってもいいですかね?

口が臭いのはな、全部がそいつのせいじゃないんだよ。半分はそいつの口のせい。でもな、あとの半分はそれをかいで「臭い」と思うお前のせいでもあるんだよ。
引用:『シーマン語録 現代人への185の賢言』

友人の口が臭いところが嫌いと答えたユーザーに対してのお言葉です。これは今でも忘れないですね。平たく言うと、気にしなきゃいいじゃん、ってことなんですけど。とりあえずシーマンとサシ飲み希望です。若い人にはもちろん、年を取ってもフッと笑える語録ですのでぜひ古本屋をあさってみてください。

 
そのほか、名言集的なものでいえば、寺山修司の「両手いっぱいの言葉」もおすすめ。小説や戯曲からピックアップした殺傷能力の高い言葉がいっぱいです。絶版かもしれないので、こちらも古本屋でどうぞ。

 
引っ越し準備や断捨離の手をガンガン止めてくれる油断ならない本たちですが、毎度捨てると決めて紐で縛っておいてもなぜか本棚に舞い戻ってくる敗者復活本はきっと何かあるはずです。ときどき供養がてらに開いてみて、今の自分にハマる神フレーズを探してみてはいかがでしょうか。

街角のクリエイティブ ロゴ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP