2. 『変身』
フランツ・カフカ(1952年)新潮社
こちらも名作すぎてすみません。何もかもが嫌すぎて嫌すぎて、自分なんてダメすぎてダメすぎてもうアカン! って爆発した男がいきなり毒虫になるお話です・・・なんて実際小説にはそんなことは書かれていませんが、カフカという人物を調べる限りたぶんこんなところです。
というように、このお話の面白いところは読み手が好き勝手に解釈できるところです。グレーゴルという青年がある朝一匹の虫に変身しているという「なんじゃそりゃ」な設定と、それに気づいた家族が誰も不思議に思わないことと、なぜ変身したのかがまったく書かれていないこと。それがこのお話の三大特徴です。
とにかくこの丸投げ感のあるストーリーにハマります。あと、この“毒虫”は父親の投げた林檎に当たった傷が原因であっけなく死に、父親の勝利が示唆されているところにちょっと注目しました。
「変身」をきっかけにカフカ研究にどハマりした人多数なので、好奇心旺盛かつ妄想好きな人はぜひどうぞ。現実逃避にぴったりです。