唐突ですが、私が実施したアンケートによると、およそ8割の男性が「ロックギタリストになりたい」と感じたことがあるそうです。
また、ギターを弾いてみたいと思い立つ動機は人それぞれですが、こちらも自分の周りでアンケートを取ってみたところ、以下の結果が出ました。
なるほど。多くの方がロックギタリストになり、スタジアムライブで決め顔チョーキングをし、地鳴りのような声援をうけ、グルーピーにちやほやされたいと感じているようですね。
けれども、ギターを購入して即、ミック・ロンソンの如く弾けるかと言われれば、残念ながらそうではありません。多大なる修練の時間と情熱、そしてソウルや立ち居振る舞いが必要とされるのが、ロックギタリストなのです。
しかし、何もかもが高速で進む現代、そんな時間も情熱もない、ちょっとだけやってみたい。むしろ雰囲気が出せれば充分だと、そんな方もいるでしょう。
そんなわけで、今回はギターの購入から機材のチョイス、ギタリストとしての心構えなど、ギターが弾けなくてもハッタリ重視でベテランのような雰囲気を出す方法を妄想模索してみたいと思います。
ギターを買う前にエピソードを考える
ギタリストにとって、ギター選びは何よりも重要です。見た目、音、値段・・・基準はさまざま
ですが、やはりロックギターを弾くとなれば、そのギターを手に入れたエピソードを重視するべきでしょう。
ゴミ捨て場に捨ててあった、伝説のヘヴィメタルギタリストから受け継いだ、十字路で悪魔にもらった、ロッド・スチュワートの屋敷から盗んで来たなど、エピソードは別にでっち上げで構いませんので、ひとつ用意しておくと「どこで手に入れたの?」と聞かれたときに相手をビビらせることができます。
とは言っても、すぐに思いつかない方もいるかと思いますので、以下に使えそうなエピソードを羅列しておきます。
・15人ほどの生き血を啜っている
・ネックが卒塔婆でできている
・入手経路がフランク・ザッパ→スティーブ・ヴァイ→自分
・所持したギタリストは死ぬらしい
・チェルシー・ホテルの廃材で作られている
・ロシアのスパイがfホールに細工をして機密文書を運ぶのに使っていた
ギター購入前の注意点
エピソードはこれくらいにして、実際にどんなギターを用意するかという問題に入りましょう。正直なことを言ってしまえば、「自分がロックだと思えば何でもいい」のですが、いくつかの注意点や、これを買うと勘違いされてしまうという一本もあります。
たとえば、FERNANDESから発売されているZO-3、通称ぞうさんギターですね。
出典:FERNANDES
文字通り象さんのような愛くるしいフォルムが特徴で、スピーカーも一体化しているので「お得かな」と思い、つい購入してしまいそうになりますが、ハイドパークやウェンブリーでZO-3をかき鳴らすわけにはいきません。やめておきましょう。いや、家で弾くぶんには結構いいんですけどね。
また、弦が7本以上のギターもやめておくのが無難です。「ジミー・ペイジだって12弦を弾いてたじゃないか!」と仰る方もいるかもしれませんが、素直に弦が6本ある個体を選びましょう。
他にも「ギターかな?」と思って購入したら、ギターではなかった、ギターだけれども何か違うなど、落とし穴もあるので注意してください。
出典:ガッキコム
たとえばこちらは6弦ですが、バンジョーです。
出典:Wikipedia
小さいギターに見えないこともありませんが、ブズーキです。
出典:ESP
一応ギターですが、高見沢モデルです。
出典:Wikipedia
こちらもギターに酷似していますが、チャップマンスティックです。トニー・レヴィンです。
どれもこれもいい楽器なのですが、初心者の場合は手を出さない方が無難でしょう。普通のレスポールやテレキャス、ストラトなどを購入するべきです。もちろん、新品ではなく、中古も視野にいれましょう。昔のグレコなんかもいいですね。
そして、音や外見の他に、見逃すことのできない重要なポイントがひとつあります。それが「殴打しやすいかどうか」です。
かなりの難問ですが、どのギターが人間を殴りやすいかについては、実はキース・リチャーズによって、ひとつの回答が出ています。
「相手の頭をブン殴るには、やっぱりギブソンよりフェンダーなんだよな。完璧だぜ、あれは。テレキャスのカーブほど首筋にピッタシはまるもんはないって」
キース・リチャーズ