まとめ
今回はコレクションを違った視点で分析してみたが、もちろんこれが正解ではない。とはいえ、雑誌で取り上げているものが正解かといえばそうでもない。
「流行」とは、風邪の流行にも使われるように、単なる大きな流れだ。毎年冬にインフルエンザの流行が騒がれるが、全員が発症するわけではない。そして発症すれば良いというものではない。要は大きな流れの中で、自分が取るべきスタンスはどこか、選ぶものはなにか、ということだ。注射を打つか打たないか、自然派治療でいくかタミフルに頼るか。ファッションも同じだと思う。
コレクションの中で出てくる新しいファッションは「これを着なければ、あなたはダサい」と強要しているものではない。単なる指針で「こんな素敵なものが出ました。どうでしょう? 気に入ってもらえました?」と語り掛けているだけだ。
普段「流行なんて」とそっぽ向いている方がいるとしたら、一度コレクションを見てみてほしい。本屋でジャケ買いした本が思いがけなく面白かったように、これまでとは違う感覚をささやいてくれるかもしれないのだ。