平日の昼。カフェで目を奪われるのは、スリーピースのスーツを着こなす一人の男性。年は40代中盤だろうか。座るとお腹の肉がすこし出張るが、それすらもチャーミングに見えてしまう。
しかし店内を見渡すと、背中に積もった肉塊を服の表面に響かせている人もいる。この違いはなにか。自分の体型に向き合っているか、こなしているかだろう。ただ、こなし方には多少のテクニックが必要だ。今回は、それについて話したい。
体型カバーには人の目線を操ることが有効
人の体型は千差万別。ざっくり二つに分けると、大きいか(太いか)、小さいか(細いか)だ。「大きい」は胸板の厚さが魅力的な方、もしくは温かそうな皮下脂肪を蓄えている方。「小さい」は、セクシーな男性らしい骨の形を披露する方、もしくは少年のようにあどけなさが残る方。
服を支える要素は大きく分けて5つ。色、素材、形(シルエット)、サイズ感、デザイン。
一般的には、体積を引き締める黒、ネイビーといった暗色・濃色が、大きい方に薦められる。しかしそれを信じて黒一色で全身を統一させてしまうと、舞台の黒子のごとく、身体の形を露わにしてしまう危険がある。真に気に掛けるべき点は、服のどこから視線をそらせるか、どこに注目させるかだ。