「泥酔状態で食うシメは何にするか」に対するひとつの解答
「これはやめられない」と身体に悪いと感じつつも常習し、依存してしまっているものは、誰しもひとつくらいあるのではないだろうか。この「やめられない」は特に食に対して強烈に働く。
「たっぷりタレのついた餃子を白飯に3バウンドさせてから食いたい」
「ダブルチーズバーガーセットにチキンナゲットをつけて、マスタードソースにポテトをディップしてコーラで流し込みゲップしたい」
など、品目はもちろん、「食べたくなる」状況はさまざまであるが、ことシチュエーションに限って言えば「酔っ払って泥酔した状態で食うシメは何にするか」に敵う場面はあまりないだろう。
そのシチュエーションで、機能不全の脳が圧倒的な幸せを感じられるほどのメニューを考えるならば、私は迷わず「富士そばのカレーカツ丼」をチョイスする。
歯車が駆動し、全体像を成す富士そばという集合体
カレーカツ丼の話の前に、富士そばについて少々触れておきたい。なぜならば、富士そばは各店舗の裁量が大きく、オリジナルメニューから味までそれこそ国内外に存在する富士そばの数だけあり、各々が独自の富士そば像を形造っているからだ。
つまり、富士そばは各店舗が「富士そば」を構成する歯車であり、ねじであり、それらが複雑に噛み合い駆動することで全体像を成す集合体のようなものなのだ。
そのせいで、大きなくくりで富士そばを語ることは世に溢れるラーメン屋を「ラーメン出してるから」といって同一に語ることと変わらず、全体をぼやけさせてしまう。
なので、富士そばという集合体を細かく切り分けるべく、具体的な店舗名を挙げて話を進めたいと思う。