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「マッドマックス 怒りのデス・ロード<ブラック&クローム>エディション」発売記念。本編のサウンドトラックを紐解く

加藤広大 加藤広大


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文明崩壊後にも必要だった音楽

なぜ文明が荒廃した後、日々の食べ物や水すらも事欠く世界で音楽が奏でられるのか。それは第一に、イモータン・ジョーがウォーボーイズを率いるためのツールでもあり、元軍人であった彼は音楽が鼓舞する力や、洗脳の手助けになることを知っていたからだと考えられます。

彼自身が音楽(文化全般もですが)を途絶えさせないようにしていた。という可能性もあります。でなければ、盲目のコーマドーフ・ウォーリアーを養子にしたりしませんし、子どもたちに太鼓を叩かせずに他の労働を課すでしょう。何より、ワイブスたちが幽閉されていた部屋にグランドピアノなんて置かないはずです。もう一度文明を築くには、文化の力は必須であると考えていたはずです。

牧歌的に考えれば、人が音楽を必要としているからというのもあるでしょう、救済するための役割もあるでしょう。そして何より、ジョージ・ミラーの言葉を借りるならば「ロックだからさ」ということになります。今までの話が木っ端微塵になるほどの、火力高めのデス・ワードですね。

劇中、イモータン・ジョーは荒野に散り、独裁体制は終わりましたが、そう遠くない未来、種を持つ老婆に託された種子が芽吹いたシタデル砦では、どんな音楽が鳴らされるのでしょうか。その音楽を聴くことが叶わないのはちょっぴり残念ですが、緑と水に溢れた土地で、歓喜とともに鳴らされる音であることを祈ります。

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