3. マルタン・マルジェラがラフ氏をファッション業界へ導いた
ラフ氏は「メゾン マルタン マルジェラ」のショーを見て、ファッションデザイナーになる決心をしたそうです。マルタン・マルジェラと言えば、その存在自体がミステリアスなことで有名です。デビュー当時はショーなどで顔を出していたものの、次第に公の場に姿を見せることはなくなり、その素顔を知る人はファッション業界の人の中でも、今や極わずかだそう。さらに雑誌のインタビューではFAXで質疑応答に答えていたそうです。彼は2008年に引退しており、今はジョン・ガリアーノがクリエイティブディレクターに就任し、2015年よりブランド名を「メゾン マルジェラ」に変更しています。
4. 右腕の存在
ラフ氏には優秀な「右腕」が存在していることをご存知でしょうか? 彼の名はピーター・ミュリエ。彼がどのような人物であるかは、映画「ディオールと私」によく描かれています。
映画にはディオールのお針子たちが登場します。8週間でオートクチュールのコレクションを作らなければいけないというとんでもないスケジュールの中、寡黙な(というよりは必要以上にしゃべらない)ラフ氏とお針子たちがぶつかることがあります。しかし、そこを調整したのが、このピーターでした。劇中には、コレクション直前で皆がイライラしたときに作業場に花を贈ったり、スタッフたちと談笑したりするシーンがおさめられています。彼がいなければコレクションは成功しなかっただろう、とも思わせる存在です。