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「インフェルノ」公開記念。シリーズ、秘密結社、オカルト用語おさらい

加藤広大 加藤広大


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「天使と悪魔」

さて、「ダ・ヴィンチ・コード」から3年後、2009年に公開されたのがシリーズ2作目となる「天使と悪魔」です。ちなみに原作では順序が逆になります。

今回の舞台はバチカン市国、カトリック教会と東方典礼カトリック教会の総本山です。


https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/7c/Vatican_StPeter_Square.jpg
バチカン市国/サン・ピエトロ広場と大聖堂(出典:Wikipedia

新教皇を決めるまで、何人たりとも外に出れない根比べ・・・もといコンクラーベが開かれる中、有力候補である4人の枢機卿すうききょう が誘拐され、犯人より脅迫状が届きます。脅迫状にはイルミナティのマークが描かれていたため、ここでも宗教象徴学の権威、ラングドン教授が駆り出され、バチカン警察に協力することとなります。


コンクラーベがおこなわれるシスティーナ礼拝堂(出典:Wikipedia

一方、スイスのCERN研究所から「神の素粒子」と呼ばれる反物質がイルミナティの手によって盗まれ、バチカン内に隠されてしまいました。物質と反物質が対消滅を起こすと、イルミナティのラテン語読み「光に照らされたもの」のごとく、バチカンが地球上から消滅してしまうほどの大惨事が引き起こされます。

このバチカン消滅を防ぐべく、そして誘拐された枢機卿を救うべく、ラングドン教授とCERNの研究者、ヴィットリア・ヴェトラがバチカンを奔走します。トレイラーはこちら。
 

Reference:YouTube

本作は宗教と科学という真逆の2本の柱を軸に、政治劇なども組み合わせた、滅法面白いエンターテイメントになっており、分かりやすく言えば、『月刊ムー』と『ニュートン』のマッシュアップのようなものでしょうか。「ダ・ヴィンチ・コード」と比べると、よりドラマ性が強まり、補足説明が足りない、ざっくりカットされているなどの点は議論されますが、好みの問題の範囲だと言えるでしょう。前知識なくとも楽しめます。

前作に引き続き、イルミナティ(イルミナティの紋章)にセルン、反物質にガリレオ・ガリレイなど、これまた陰謀脳汁がドッパドッパと放出するキーワードが頻出します。また少しだけ説明してみます。

まずイルミナティですが、こちらもフリーメイソンと並び、大人気の秘密結社ですね。大人気の秘密結社は秘密ではないのではないか? という疑問はさておき、良いイルミナティと悪いイルミナティが存在したり、ロスチャイルドだったり、300人委員会が云々だったりと、まるでスマホの電波を可視化するがごとく日々、大量のネタが飛び交っている点では天下一の団体でしょう。

なので本当に一般的な解説で畳みますが、イルミナティとは、1776年にアダム・ヴァイスハウプトという1人の青年哲学者によって結成された秘密結社であるといわれています。


アダム・ヴァイスハウプト(出典:Wikipedia

イルミナティとはラテン語で「光に照らされたもの」を意味しますが、先程も書きましたように、「天使と悪魔」でも重要な一文となっています。

次に反物質が盗まれてしまうセルンですが、こちらは実在しております。正式名称はCERN、Conseil Européen pour la Recherche Nucléaireの頭文字から取られています。日本語表記は欧州原子核研究機構。地下には全周27kmの大型ハドロン衝突型加速器を擁しています。

一時期、「CERNのせいで極小ブラックホールが生成され地球が終わる」と話題にもなりました。私もワクワクしながら借金を限度額まで借りて待ってたんですが、今なお地球は存続しています。

そして、CERNで生成されるという何だか凄そうな名前の反物質と、反物質と物質がぶつかる際に起きる対消滅なる科学的な単語が頻出します。私はド文系で理系は苦手も苦手ですので、ちょっと調べてみました。

それによれば、質量とスピンがまったく同じで、構成する素粒子の電荷などがまったく逆の性質を持つ反粒子により組成される物質で、1930年、物理学者のポール・ディラックが真空がロバ電子で満たされている・・・まったく解りません。

しかし、理解ができなくとも楽しめるのが今作の強みです。理解をしていればもっと楽しむことができるでしょうが、「何となくヤバそうだな」で問題ありません。登場人物たちも、リヒター隊長をはじめとして、そのくらいしか理解できていない設定なのですから。

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