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横山秀夫のミステリー小説まとめ

街クリ編集部 街クリ編集部


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3.  『第三の時効』
(2003年)集英社

2004年『このミステリーがすごい!』第4位、テレビドラマ化もされたF県警強行犯捜査係の刑事達を主人公にした連作短編集で、『沈黙のアリバイ』『第三の時効』『囚人のジレンマ』『密室の抜け穴』『ペルソナの微笑』『モノクロームの反転』の6篇が収録されています。

表題作『第三の時効』の主人公は強行犯捜査二係、通称二班の楠見班長。元公安出身で、冷血の異名を取っています。タクシー運転手殺害事件の時効が迫る中、二班の刑事達は被害者の妻と娘に監視を付け、時効完成後犯人が彼女らに接触してくるのを待ちます。犯人は逃走中7日間海外に逃亡しており、本当の時効、すなわち第二の時効までにまだ7日間が残されているからです。部下達が監視を続ける間、楠見は現場に現れず単独・隠密な行動をとっていましたが、実は第三の時効を画策していたのです。誰も思いもしなかった第三の時効。そして、第二の時効完了後、犯人から電話がかかってくるのです。楠見の悪魔的深謀に、部下達も外道な捜査と言い放ちますが、彼の大胆な罠に落ち、殺人犯は罪に問われることになります。

『沈黙のアリバイ』では冷徹な一斑の朽木班長、『囚人のジレンマ』では扱いづらい実力のある班長達を持て余す捜査第一課の田畑課長、『密室の抜け穴』では閃き型捜査の天才・三班の村木班長が、それぞれの個性を生かし捜査し、また捜査の覇権をめぐって熾烈な競争を繰り広げます。事件を解決していくまでの、犯人と刑事達の葛藤や個性のぶつかり合いがリアルに描かれた警察小説の傑作です。

 

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