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横山秀夫のミステリー小説まとめ

街クリ編集部 街クリ編集部


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2. 『半落ち』
(2002年)講談社

2002年『週刊文春ミステリーベスト10』、2003年『このミステリーがすごい!』ともに第1位、第128回直木賞候補作品です。2005年に映画化、2007年にテレビドラマ化もされています。

アルツハイマー病を患う妻を殺したと現役警部・梶聡一郎が自首し、殺害の動機と経緯は詳細に自供するものの、その後自首するまでの2日間の行動を明かそうとしません。この空白の2日間を巡って、警察側の供述のねつ造が疑われ、警察と検察が対立します。物語は、この状況を刑事指導官、地検検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官の6つの立場、視点から描いてゆきます。捜査の過程で、梶が自殺を試みたこと、殺した妻を残し東京に行ったことが明らかになりますが、それでも梶は死に場所を求めてさまよっていたと、かたくなに詳述を拒みます。最後にこの謎は明かされるのですが、その謎解きよりも、この件で梶と接した誰もが梶に生きて欲しいと願うようになる、梶と彼らの生きざまに心が揺さぶられます。ミステリーの形を借りて人間の内面に深く踏み込んだ人間ドラマとして、落涙必至の作品です。

 

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