7. 『朗読者』
ベルンハルト シュリンク(2003年)新潮社
「愛を読む人」という邦題で映画化もされた作品です。主人公が母親と同じ位年の離れた女性と恋に落ちる男性のお話です。奇妙な関係から始まった2人の惹かれ合う様や、近づいてくる戦争にまつわる登場人物の心の移ろいが繊細に描かれており、とても作り込まれた小説と言えます。小説入門編であり、玄人好みの作品でもあります。
8. 『無銭優雅』
山田 詠美(2009年)幻冬舎
他とは一味違う、大人の恋を描いた恋愛小説です。42歳の男女が、少しずつお互いの関係を築いていく話です。40代という、ある意味「死」も意識し始める年代の恋愛模様を繊細な感情の移ろいとともに見事に描き出しています。大きな変化はないけれど、成熟した大人のどこか可愛らしい恋愛を楽しむ事ができます。まったりとした恋愛小説を読みたい人、恋について考えたい人におすすめです。