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おすすめ映画サントラ名盤10選

加藤広大 加藤広大


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9. The Boat That Rocked/パイレーツ・ロック

2009年に公開されたイギリス・ドイツ映画。原題は「The Boat That Rocked」、アメリカ公開時のタイトルは「Pirate Radio」、そして邦題は「パイレーツ・ロック」です。なんだか伝言ゲームのようなタイトルの移り変わりですが、分かりやすさで言えばアメリカ版のタイトルが一番しっくりくるのではないでしょうか。

Reference:YouTube

要するに、「海賊ラジオ」のことで、1963年当時のイギリスはそれまで民法放送はまったくなく、国営放送であるBBCのみでした。お堅い放送局なので、「ははーん、BBCがロックを禁止していたから海賊ラジオが流行ったのかな」と思ってしまいがちですが、実はラジオでレコードばかりかけてしまうとミュージシャンの仕事がなくなる(と考えられていた)ため、組合が放送局に対して規制をかけていたんですね。ただ、当時のイギリスの公共放送では、ポピュラーミュージックに割り当てられる時間が1日に45分以内と決められていたという事情もあったそうです。

しかし、若者たちは退屈なラジオなんて聴きたくありません。その欲求が形となって、海賊ラジオとして国際海域上に浮かぶ船から放送されたのです。

この映画も、当時の海賊ラジオ局「ラジオ・ロック」と1人の少年を中心に描かれるのですが、これでサウンドトラックが悪いわけがありません。過去、ロックパイレーツたちがセレクトした楽曲を、そのまま流せば良いのですから当時のチャートに入っていたヒットソングたちが満載です。

知っている人には懐かしく、知らない人には新鮮です。なにせ海賊ラジオの映画ですから、かなりの曲数がかかります。誰が聴いても1曲くらいは、フェイバリットになる楽曲があるのではないでしょうか。

インターネットが発達した現在では、どこもかしこも海賊放送のようなものですが、それとはまた違った音楽、もっと言ってしまえば文化に対する熱量みたいなものが感じられますし、何より60年代の話ですから、出てくる女の子が可愛いですし、ついでに乳も出ますので、特に男性におすすめな名作となっております。

10. Layer Cake/レイヤー・ケーキ

「キングスマン」や「キック・アス」など、今ではすっかり有名になったマシュー・ヴォーン監督ですが、彼が最初にメガホンを取ることとなった作品がこの「レイヤー・ケーキ」です。

Reference:YouTube

もともとはJ・Jコリーの小説を原作とするこの映画、引退しようと考えている麻薬の売人、ダニエル・クレイグ演じるXXXXは訳あり仕事を頼まれて、段々と泥沼にハマっていくという、ガイ・リッチー作品直系な展開なのですがそれもそのはず、本作は当初ガイ・リッチーが監督していて、大人の事情で途中降板したため、プロデューサーであるマシュー・ヴォーンが代役を務めたんです。この偶然がなければ、「キック・アス」も「X-MEN」も、監督の話はなかったかも知れません。人生何が起こるか分からないものですね。

「キングスマン」もレーナード・スキナードやブライアン・フェリー、ダイアー・ストレイツなどで映画を彩っていましたが、「レイヤー・ケーキ」もまた、デュランデュランにXTC、ザ・カルトやカイリー・ミノーグなど、後の作品で炸裂する選曲センスを彷彿とさせるセレクトとなっております。

このいかにもイギリスと言った具合の選曲センスがまた、ご飯に味噌汁、カレーに福神漬けのごとく映画に合いまして、ところどころで絶妙な組み合わせが機能しています。
 

以上、長々とご紹介して参りましたが、「選曲が素晴らしい映画サントラ名盤」たちでした。映画を観る際は、流される楽曲に注意して耳を傾けてみると、また新たな発見があるやも知れません。そして、気に入った曲があったらサウンドトラックを購入して、実は気に入った曲が収録されていなかったという無常をぜひとも味わってみてください。

ここに紹介できなかった映画でサウンドトラックが秀逸なものは、以下の記事でも紹介しています。というか、個人的に紹介させていただいているものは、すべてサウンドトラックが素晴らしいものばかりです。よろしければ覗いてみてやってください。それでは。

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