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おすすめ映画サントラ名盤10選

加藤広大 加藤広大


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3. ABSOLUTE BEGINNERS/ビギナーズ

一瞬ユアン・マクレガー主演の「人生はビギナーズ」と混同してしまいそうになりますが、こちらは1986年にイギリスで製作されたジュリアン・テンプル監督の「ビギナーズ」です。

Reference:YouTube

「話の内容も秀逸な映画を紹介する」と言っておきながら本作、非常に賛否両論でして、先ほどYahoo!映画を覗いてみたら星2つでしたが、個人的には大好きな映画です。

話の筋はと言いますと、舞台は1958年のロンドン。この頃のイギリスでは丁度アメリカの音楽が輸入されはじめ、若者も比較的裕福になったことからレコードや、服などを購入できるようになったんですね。それらが気楽に楽しめるようになった結果、テッズやモッズ、後のパンクスまで、若者文化がぽんぽんと花開いた。その先駆けとなった時分です。

そんな時代にソーホーにたむろしていた駆け出しカメラマンのコリンや、ファッションデザイナー志望のスゼッタなどの若者が青春ド真ん中な物語を繰り広げるのですが、監督がジュリアン・テンプルゆえ、どうしてもミュージック・ビデオ仕立てになってしまい、そこはかとなくミュージカルっぽくもあります。そこがこの映画を受け付けられない方がいる理由のひとつではあると思いますが、80年代のMTV直球タッチで描くことにより、当時の狂騒や混沌、ともすれば振り返ってみると「あれはなんだったんだろう」という一夜の夢。のような感覚を効果的に浮き彫りにした手法であるとも考えられなくもありません。

舞台は50年代ですが、サウンドトラックはバリバリの80年代です。デヴィッド・ボウイにシャーデー、エイス・ワンダー、そしてキンクス。しかも今挙げた方々、全員映画に出演しておりまして、デヴィッド・ボウイなんて謎の胡散臭い悪徳業界人のおっさんです。これを観るだけでも価値があります。

また、ごくごく非常に狭い音楽の話になりますが、テンポールチューダーというバンドのエドワード・チューダー=ポールがテッズ役でいきなり飛び出てくる場面は阿呆の一言。最高です。

スウィンギング・ロンドン前夜を描いた夢見る若者たちの物語だと真面目に捉えて観ると激しく後悔する映画かもしれません。ただ、長大なミュージック・ビデオとして、さまざまなミュージシャンを堪能するには充分に鑑賞に耐える作品です。

4. Marie-Antoinette/マリーアントワネット

お次は2006年のアメリカ映画、ソフィア・コッポラ監督の「マリー・アントワネット」です。ソフィア・コッポラといえば「ヴァージン・スーサイズ」「ロスト・イン・トランスレーション」のサウンドトラックも素晴らしいですが、今回はこちらをご紹介させていただきます。

Reference:YouTube

父上であるフランシス・フォード・コッポラも「地獄の黙示録」や「アウトサイダー」など、劇中曲の選曲が素晴らしいですよね。ちなみにニコラス・ケイジの本名はニコラス・キム・コッポラといいまして、フランシス・フォード・コッポラは叔父、ソフィア・コッポラのいとこにあたるのですが、この一族はサウンドトラックの選曲に気合を入れないといけないというルールでもあるのでしょうか。

またもやニコラス・ケイジの話題になってしまいそうなので、話を元に戻しましょう。トレイラーをご覧いただければ分かる通り、舞台は完全なる1700年代後半のフランス王室ですが、後ろで流れている音楽が思いっきり現代のロックです。

史実を基にした映画はその時代の音楽が使われがちですが、本作はニューオーダーからスージー・アンド・ザ・バンシーズ、ザ・キュアー、ストロークス、スクエアプッシャーと、70、80、90年代あたりの音楽がふんだんにセレクトされ、効果的に利用されているんですね。

このようなギャップを狙った(とまでは言えませんが)セレクトをしている映画のサウンドトラックを「なぜこの曲が流れているのか?」と考えてみるのも、また映画の楽しみ方のひとつとして面白いのではないでしょうか。個人的には、バウ・ワウ・ワウの『Aphrodisiac』が最高でした。

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