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(おまけ付き)日本語ロックの名盤10選

加藤広大 加藤広大


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出典:いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー『私自身』シングル盤ジャケット(私物)

今回は『日本語ロック』の名盤をご紹介するという非常に手垢の付きまくった企画なのですが、『日本語ロック』と言われても一体何のことやらと思われる方もいるでしょう。簡単に説明しますと今回用いる『日本語ロック』という言葉は、「日本語で歌われているロック」という意味合いで使用していまして、日本語でロックを歌う、またはほとんど日本語歌詞でロックを歌っているバンドを新旧取り揃えてセレクトしてみようというお話でございます。

しかし、現在「ロック」という言葉はかつてアラン・フリードが叫んだ「ロックン・ロール!」のごとくコロコロと独り歩きしたり転がったり、人によっては「これはロックじゃない」「いやロックだ」と捉え方は百人十色です。ですので私もその作法に則り、自分なりに思う(非常に)広義な日本語ロックの名盤をセレクトさせていただきました。

ゆえに、飲み屋でおっさんが音楽について話しているようなものですので、「こんなのロックじゃねえぜ!」「いや、むしろジャズなんじゃない?」というご意見もありますでしょうが、そっと懐にしまい込んでいただけますと幸いです。

ちょっとその前に、日本語でロックを歌うことについて

日本では古くより異国(主にアメリカ)から渡来した音楽、ロックンロールやロカビリー、またはいろいろひっくるめてポップスを日本語詞にして歌う。というのが流行していましたが、この「ロックを日本語で歌う」ことに関して一番語られたのは、おそらく60年代末に巻き起こった「日本語ロック論争」でしょう。ロックは英語で歌うべきものなのか? それとも日本語で歌うものなのか? という議論が英語派、日本語派に分かれて巻き起こっていました(とは言っても英語派からの一方的なふっかけとされていますが)。この辺りはネット上でも確認できますので、気になる方は調べてみてください。

「論争」というとあちこち巻き込んで大騒ぎな感がありますが、そもそもそこまで両軍別れての大論戦、最後にゃ刃物も出てきて物騒な・・・というものでは無かったようです。これは去年、細野晴臣氏が鮎川誠氏などと共演したライブのMCで「あれはメディアが勝手に騒ぎ過ぎたんだよね」的に触れられていましたので、おそらくその通りなのでしょう。そもそも、当時の記事を読んでもそんな喧嘩じみたことはありませんし、みんながみんな、主張は違えど音楽について真剣に考えていたんだなあと、ちょっとうらやましくなります。飲み屋でそんな話はしたくはありませんが(笑)。

とにかく、日本語でロックを歌うというのはどういうことなのか? という問題が盛んに研究されて、日本独自のロックが進化、変化をしていた時期が60年代、そして70年代だったのでしょう。今では当たり前のように日本語で歌われているロックですが、先人たちの様々な試行錯誤によってメロディーに乗る言葉、または言葉に乗るメロディーが生まれていたんですね。

そうなると、『日本語ロック』の名盤はありきたりな紹介になってしまうんだけれども

偉大なる先人たち、今でも現役バリバリな方も大勢いらっしゃいますが、その中で『日本語ロック』の名盤をご紹介するとなると、どうしてもエポックメイキング的な名盤がひしめいている60年代〜70年代の盤が多くなってしまいます。というかほぼすべてが、はっぴいえんどとその周辺アーティストで固まることになってしまいます。

たとえば、手元にある『レコード・コレクターズ2010年8月号』の「日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100」特集を参照してみますと、1位にランクインしたはっぴいえんどの『風街ろまん』を皮切りに、シュガーベイブの『SONGS』、細野晴臣の『泰安洋行』、大滝詠一の『ナイアガラ・ムーン』、小坂忠『ほうろう』、鈴木茂『バンド・ワゴン』と、はっぴいえんど周辺やティン・パン・アレイファミリーが参加した作品が延々と並ぶという結果になっています。

これは日本のロック・フォークアルバム選ですが、上位陣に関しては、現在までの日本のロック・アルバムランキングをやったとしてもおそらく不動でしょうし、抜かずには語れません。困りました。このままでは『レコード・コレクターズ』をなぞるだけの記事になってしまいます。というか、意識せずとも、私個人的に考えても、上記のような名盤が並ぶ羽目となるでしょう。それだと少々面白みもありません。ですので、ここはなるべく過去の名盤も抑えつつ、泣く泣くシュガーベイブの『SONGS』や大滝詠一の『大滝詠一』を抜きながら、匙加減を変えてセレクトしてみます。

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