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(おまけ付き)日本語ロックの名盤10選

加藤広大 加藤広大


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7. 憂歌団『生聞59分』

ロックというよりはブルース、という気もしますが、日本語で歌うバンドと言えば、憂歌団は外せません。というか外せないバンドだらけなんですが・・・。と、終わりの見えない企画を進めてしまっていることへの後悔はこのくらいにして、後悔、そして日々の悩み、嫌なこと、憂鬱なこと、そう、つまりブルースですね。そのブルースを放り投げて、抱きしめて、見つめて、蹴飛ばした。最後ちょっとミュージシャン違いましたが、清濁併せ呑む(主にI・Wハーパーあたり)唯一無二のバンドが、憂歌団でございます。動画の音源は『生聞59分』のものではありませんのでご了承ください。

Reference:YouTube

私、もう好きになった頃には活動休止状態になっておりまして、かろうじて島田和夫以外の3人でおこなった対バンとオマケセッションを新宿ロフトあたりで見て度肝を抜かれた記憶も今は昔です。が、その空気感や野次、余裕なのかやる気がないのか、はたまた酔っ払っているのか分からない木村充揮の天使のダミ声と漂う「ただモンじゃないオーラ」に終始圧倒された感覚は、今でもすぐに思い出せます。あの日だけ、新宿ロフトは確かに「昔経験した、ちょっと危ないライブハウス」でした。

と、思い出話はこの辺りにしておいて、憂歌団。憂鬱なとき、元気がないとき、泥酔したとき、ぜひとも大音量で聴いてみてください。

8. BLANKEY JET CITY『国境線上の蟻』

「新旧取り揃えて」と言ったものの、すべて古いモンばっかりじゃねえかとお怒りの皆様、お待たせいたしました。これは新しい・・・と思ったのですが1998年発売でした。BLANKEY JET CITYの『国境線上の蟻』です。こちら、通常のアルバムではなく、ベストアルバムでして、一応すべてのアルバムとスキャッツのブートレグ音源やMYWAYも含め、ほぼすべての作品を持っているんですが、やっぱりこのアルバムがジャケットも含めて、なんだかしっくりくるんですよね。動画はこれまた音源ではないのですが収録曲です。キレッキレですのでぜひご視聴を。

Reference:YouTube

ブランキーに関しては最早説明の必要はないでしょう。日本で一番メロンソーダとチリドッグの売上に貢献したバンドだと思いますし、ガードレールに座りながらコカ・コーラを飲み干す若者を量産させた功績も忘れてはなりません。私もメロンソーダとチリドッグを大量に摂取しましたし、エンジニアブーツも履いていました。ギターも合法的なギャンブルで稼いだ金でグレッチを買いました。コピーバンドもやりました。そのバンド名は「飯島明とアルファロメオズ」でした。

本当、ブランキーに関してはたくさん言いたいことがありますし、個人的な黒歴史もたくさんあるのですが、書いているととんでもなく長くなってしまうので、いつか機会があれば書きたいと思います。

9. SION『鏡雨〜kagamiame〜』

「日本語でロックを歌う」シンガーソングライターやバンドをいろいろ考えていたときに、真っ先に出てきたのは、はっぴいえんどと、かつて「新宿のトム・ウェイツ」と呼ばれたSIONでした。アルバムはどれも捨てがたいのですが、今回は少し新しめに、2009年の作品で『鏡雨〜kagamiame〜』です。動画は収録曲『お前の空まで曇らせてたまるか』のアコースティックライブバージョンをどうぞ。

Reference:YouTube

大都会の裏路地にあるマンホールから立ち煙る湯気のような歌声は、いつでも濁りながら立ち昇り、気になった頃には不思議とすうっと消えてしまいます。その路地裏の言霊は夜ごと日本中の飲み屋で繰り返される与太話のようでもあり、千鳥足の酔っぱらいの独り言のようでもあります。

しかし、その内容は決して悲観的ではありません。どうしようもない人間や自分を描写しながら、物陰には対象への愛がこっそり隠れています。野良犬、カラス、酔っぱらい、ゴミが溢れたゴミ捨て場に少しだけ湿った雨上がりの地面。目を閉じて聴けばまるで映画のような世界が広がります。そして曲が終わりを迎えるとき「人生もそんなに悪くないな」と思えるのです。これが言葉と音楽の力でなくして、何の力でしょう。

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