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【真面目からおバカまで】おすすめB級映画10選

加藤広大 加藤広大


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「WILD ZERO(ワイルドゼロ)」

ロックン・ロールと言えば日本のロックン・ロールも忘れてはいけません。「狂い咲きサンダーロード」や「爆裂都市」などは、今やB級、カルト映画の枠を超えて伝説的な扱いにさえなっていますが、こちらのワイルドゼロも、それに並ぶべき素晴らしき音楽映画、否、ロックン・ロール・ジェット・ムービーです。

Reference:YouTube

ゾンビあり、UFOあり、恋愛あり、火薬多目の爆発あり、ロックン・ロールありと、ありとあらゆるB級映画の要素をこれでもかと詰め込み、視聴者おいてけぼりでぶっ放すクレイジーな展開は、B級映画にありがちな中だるみ感は一切無し、ついでに言うと話の筋も無しですがそんなことはどうでも良いのです。なぜなら、日本が誇るロックン・ロールバンド『ギターウルフ』が出演しているからです。一体、他に何が必要だと言うのでしょうか?

本作がB級足る所以は他にもあります。ヒロインの女の子(これは劇中衝撃の展開があるのですが、ネタバレなので自重します)は、ロケ地であるタイのクラブで現地調達。そしてなぜかタイ王国軍とその家族が1日1,000円のギャラでゾンビ役など全面協力、火薬ももちろん軍から調達。実際に大爆発するアパートの部屋の隣に住んでいた住人は、15,000円で隣室の爆破を快諾と、最早意味が解りません。むしろ全員頭がB級なんでは? と勘ぐらずにはいられません。もちろん良い意味で。

そんなワイルドゼロですが、もうサントラも最高です。オール友人、オール爆音の名のもとに、日本の錚々たるロックン・ロール、ガレージバンドが大集結。高校生の時にこれを観たんですが、冒頭で流れる『CHARLIE and THE HOT WHEELS』の『LITTLE JET WILLYS(かわいいクーペ)』を聴いた途端に人生が完全に狂いました。あの時かけられたゾンビ、UFO、ロックン・ロールなジェットマジックは、未だに解けないまま私の心のどこかを構成し続けています。ビバB級映画。サンキューロックン・ロール!

「ROMPER STOMPER(ハーケンクロイツ/ネオナチの刻印)」

音楽や思想から派生するファッションには、モッズやパンク、テッズやオールドスクールなど、いろいろとジャンルがございますが、スキンズというやや右にステータスを振りすぎた思想をしている方々がお召になられる服装が存在します。

このあたりのファッションはギャビン・ワトソンの写真集などが詳しいですが、動いているスキンズを観てファッションの参考にしたいと考えていた私は、この映画を専門学校時代にずっと探し続け、ついに「板橋のTSUTAYAにある」と噂を聞きつけ無事レンタル、ようやく拝めたのがこの映画「ROMPER STOMPER(ハーケンクロイツ/ネオナチの刻印)」でした。主演はまさかのラッセル・クロウ、彼の隠れた名作です。

Reference:YouTube

内容はと言うと、まあ非常にバイオレンスな感じでして、主人公は人種差別主義者で、アドルフ・ヒトラーの「我が闘争」に心酔している生粋のスキンズ、言ってしまえば街のゴロツキ、不良ですね。なので喧嘩や盗みは日常茶飯事です。ラッセル・クロウ演じる主人公のハンドーは、最初の頃は獣のように荒々しい描写がされますが、話が進む中で、実は彼の強さは作り物で実際には弱い人間であることが判明していきます。

集団でしか吠えられない、強がれない人間、1人では何もできない人間、暴力の先に、多様性を認めない人に待っている結末とはどのようなものなのか? それはネオナチというフレーム意外でも、自分たちの周りにも普通に存在するものだと思うと、非常に感慨深いものがあります。

それにしてもこの「ハーケンクロイツ/ネオナチの刻印」という邦題、滅茶苦茶B級臭がするのでどうにかならなかったのでしょうか? 原題のままであればもう少し違った受け止められ方をする映画だと思います。

「Without Warning (ニンジャリアン)」

最後なので、これぞB級という映画を一応置いておきます。邦題をいちべつしただけで嫌な予感しかしない「ニンジャリアン」ですが、開始10分ほどでその予感は現実のものとなります。

Reference:YouTube

とある田舎町にて繰り広げられるホラー・サスペンスなのですが、片田舎で誰かに襲われるとくれば、やっぱり出てくる呑気なカップル。まさか今からニンジャとエイリアンをかけあわせたような名前をした謎の宇宙生物と相対することになるとは思わずキャッキャウフフと遊んでいたら、気付かぬうちに騒動に巻き込まれるというお約束展開。

肝心のエイリアンはフラットウッズ・モンスターとグレイ型宇宙人を元に素人が作成したような造形の何とも言えないゆるキャラスタイル。その宇宙人が投げつける吸血生物は人の生き血を吸い、血肉を喰らうのですが、この形がヒトデっぽいんですね。

ヒトデっぽい=手裏剣っぽい=手裏剣と言えばニンジャ=エイリアンと合わせてニンジャリアン! ということになったのでしょうか? きっとそうだと思います。それ以外考えられません。誰か止めなかったのでしょうか?

最後は華麗に爆発でシメ。というのも好感度が高く、B級映画としては一級品だと思いますが、おそらく素面で観覧した場合、怒りに任せてテレビを破壊するか、VHS、またはなぜか出ている北米版ブルーレイディスクを手裏剣のように窓の外に投げるか、もしくはその全ての行動を取ることになるでしょう。

おわりに

以上、いずれも好きな映画ばかりです。個人的な選出で恐縮ですが、B級映画という単語が今後ポジティブな意味で使われていくことを祈ります。

今回紹介できなかったものもたくさんあります。これは別にベスト選的なものではなく、ただ単にどこかで終わりにしないと永遠に終わらないうえに、そろそろ力尽きただけですのでご了承ください。「ゆきゆきて、神軍」「ファスター・プシィキャット!キル!キル!」「セブンフォース」「プラン9・フロム・アウタースペース」「裸のランチ」、数々のゾンビ映画にホラー映画・・・おすすめしたいものは尽きませんが、また機会があればご紹介したいと思います。

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