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東京地方はそろそろ桜が満開になり、都内の桜が植樹されている地点におきましては、無軌道な若者たちの乱痴気騒ぎがはじまることでしょう。
また新社会人の方におきましては、初出勤、初退勤、初残業、初休日出勤と、大して目出度くもない初物が目白押しかと思います。地方から引っ越して来た方は、初満員電車なども経験することとなるでしょう。ようこそ、絶望が渦巻くコンクリートジャングルへ。この度は誠にご愁傷様でございます。
多くの場合、人は思い描いていた新しい人生の出発に「こんなはずじゃなかった」と期待はずれ感を抱き、段々と都会のダークサイドにのまれていくわけですが、この問題は最初から期待をしないことによって、もっと言ってしまえば、ハナから絶望することにより回避することが可能です。
今回は、なるべく早めに社会に絶望して、ある意味達観し理不尽な世の中への耐性を付けるための、簡単に言えば「聴くと割と鬱になる曲」をご紹介いたします。
Pink Floyd『Time』
まずは「ピンク・フロイド」が1973年に発売した7作目のアルバム『狂気(The Dark Side of the Moon)』に収録されている『Time』をお聴きください。
Reference:YouTube
このアルバム、全編通してタイトル通り狂気を感じさせる作りとなっておりますが、なんと全世界で5,000万枚以上売れたそうで、世の中どうかしてると思わざるを得ませんが、音楽的には非常に素晴らしい、ロックの歴史に残るアルバムです。
耳障りなチャイム(鐘)の音が耳をつんざきながらはじまる『Time』は、そのどんよりとした重厚な演奏はもちろん、何より歌詞が心を抉ります。
冒頭の歌い出しはこうです
かちかちと刻まれる一瞬一瞬が退屈な一日を作り上げるけれど
お前は何の準備もせずに時間を潰し無駄にする
Pink Floyd『Time』
ああ、皆さん心当たりがあるのではないでしょうか、私にもあります。若干鬱になって来ましたが続けます。
お前は若く人生は長く、今日もまた退屈な一日
そしてある日、10年もの歳月がお前を通り越していったことに気付く
誰もいつ走ればいいなんて教えてくれなかったし、スタートの合図も聞き逃したのだ
Pink Floyd『Time』
非常に辛いですね。身につまされます。
お前は太陽に追いつこうと走って走って走りまくった。しかし太陽は沈んで行くところだった
そしてまた一周して再びお前の後ろに顔を出すのだ
太陽は相対的に何も変わらず、ただお前だけが年老いていく
Pink Floyd『Time』
このように、思わず聴いた後に「さあ死ぬか!」と思ってしまうほど強烈な歌詞となっており、「俺は一体社会に出て何をやっているんだろう」など、無碍に時間を過ごしてしまったと後悔した際に聴くには最高です。絶望しましょう。
かちかちと刻まれる一瞬一瞬が退屈な一日を作り上げるけれど
お前は何の準備もせずに時間を潰し無駄にする
Pink Floyd『Time』