「バーカ! そんなご都合主義のハッピーエンドで終わるわきゃないでしょ! 新天地へ行ってもゾンビだらけで残念救いはございません! ヒャッハー!」
という「救いのない感じ」を表現するには、充分過ぎる強度の選曲です。テレビドラマならばここからシーズン2がはじまりそうな勢いです。
この映画、象徴的な曲がたくさん散りばめられています。割愛した途中の選曲ももちろんですが、全体を通してユーモアと皮肉、リスペクトに溢れた素晴らしいサウンドトラックになっています。もちろん、歌モノ以外の効果音も最高です。映画を観た後に、街を歩きながら本作の音楽を聴くと街行く人が皆ゾンビに見えてしまうほどの出来ですので、終末を感じたい方は是非ともお試しください。
以上、映画「ドーン・オブ・ザ・デッド」より、劇中で流れる印象的な曲をご紹介しました。映画の中で意味なく流れている音、というのは絶対にありません。すべての音、曲、ひとつひとつ必ず意味があります。もちろん無音の状態でもです。その曲のバックボーンや、年代、ジャンル、曲調などなど調べてみると、映画との思わぬ共通点や理由が発見できたりするものです。このような噛めば噛むほど味が出る、スルメのような味わい方もまたひとつの映画の楽しみ方ではないでしょうか。