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「芯が出る」だけでは許されなくなったシャープペンシル

原田真帆 原田真帆


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「芯が折れない」シャーペン三銃士

ところが最近の文房具売り場といったら、「フレフレ機能」の存在感が非常に弱い。一世を風靡したはずの「機能」はなぜ追いやられたのか、それは「アフターケア」が足りないからだ。

今売り場で最大に展開されているのは「芯が折れない」シャープペン。もっともメジャーなのはゼブラの「Delguard(デルガード)」か。次いでぺんてるの「orenz(オレンズ)」、プラチナム万年筆の「OLEeNU(オ・レーヌ)」がある。どれも名前がすごい、全力で自己アピールしてくるこの感じ・・・。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/03/new_main.jpg
(出典:ZEBRA | ゼブラ株式会社 | デルガード

いずれもペン先のチップと呼ばれる芯の口に工夫があり、芯が極めて折れにくくなっている。ましてや「オレンズ」に至っては、「振る」どころか紙に押しつければ芯が出てくる。シャーペンが小学校で禁止される三大理由「折れる」「カチカチうるさい」「部品が多い」の内ふたつをペロリとクリアしてしまって、いよいよ先生たちは禁止する理由を失うだろう。

小学校でシャーペンが禁止される三大理由はそのまま、シャーペンの弱点でもある。「フレフレ機能」はすばらしいものの、この弱点をどれも乗り越えられていない。それが、シャープペンシル売り場のセンター争奪戦に負けた理由なのだ。

しかしわたしは訴えたい。芯が折れないシリーズは、紙に芯が、下手するとチップがカリカリ引っかかる感触が非常に気持ち悪い、というか黒板を爪で引っ掻いた気分になる。シャープペンの欠点をそのまま搭載している「ドクグリ」を愛さずにいられないのは、書き心地があまりに滑らかだからだ。

とはいえ、この「芯が折れない」市場はもうしばらく盛り上がりを見せるだろう。なぜなら元「ドクグリ」脅かし役だった「クルトガ」(三菱鉛筆)が、「折れない」業界に新規参入を果たしたからだ(「クルトガ パイプスライドモデル」)。三つ巴に新たな一石が投じられた。「折れない」戦争の幕開けだ。

「芯が折れない」シャーペン三銃士

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