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「芯が出る」だけでは許されなくなったシャープペンシル

原田真帆 原田真帆


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少し前までは「振れば芯が出る」商品が、シャープペンシルの「最上位機種」だった。ところが今はどうだろう。「芯が折れない」機能が搭載されていないと、時代遅れなのかもしれない。しかしわたしは「芯が折れない」シャープペンシルが、まだ完璧だとは思わない。今日はシャープペンシルの芯が「出る」機能・「折れない」機能について考えてみたい。

「フレフレ機能」にも2種類ある

「フレフレ機能」とは、パイロットコーポレーションの主力商品「ドクターグリップ」のシャープペンシルに搭載されていることで有名な機能だ。パイロットでは『フレフレ』機構として1978年に特許を取得している。シャープペンシルを上下に振れば、芯が出る。ペンを持ち替えて、おしりをノックしなくても、芯が出る。

わたしの小学校ではシャーペン禁止令が施行されていたため、中学に進学した途端、皆がこぞってシャーペンを手にした。半数は「ドクグリ」ことドクターグリップを使っていたので、教室にはいつも「フレフレ機能」特有の、カタカタ、という音が響いていた。一度振ればクセになる。それはまるで、iPhoneのシェイク機能にも似ている。

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振って芯が出るのは中に入っている金属の筒のおかげだ。振ることで芯ホルダーに刺さっている筒が上下し、芯の出口はノックされたのと同じ状態になる。振り一往復でノック1回分だ。逆に、このフレフレ機能のせいでうるさいと感じたり、ペンが重たいと感じる人は、その筒を取り除くことで解決できる。

しかしドクターグリップは「フレフレ」の元祖ではない。パイロットはまず「2020(フレフレ)」「2020(フレフレ)ロッキー」というシャーペンを発売、それでヒットをかましたのちに、満を持して1991年の新商品「ドクターグリップ」にこの機能をつけたのだ。「2020」という名を冠した商品が実は数多く存在しており、パイロットがいかに「振れば出る」に力を入れていたかがうかがえる。

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フレフレ

そして「2020」と「ドクターグリップ」の「フレフレ感」は少し異なる。「2020」は「ドクグリ」の筒に当たる部品が「バネ」になっているため、「ドクグリ」よりも衝撃が吸収される。そのため、振った時の手の感触もかなり違う。文具ファンの間ではバネの方が「フレフレ感」がソフトで好きだ、という声も根強い。

現在も少しごつくてかっこいい「2020スパーク」やポップな色合いで細身の「FUREFURE SPRINTER(フレフレスプリンター)」や、女子力の高い「FUREFURE CORONE(フレフレコロネ)」の3商品が、その歴史を受け継ぐ。また「Opt.(オプト)」という見た目オシャレシャーペンもバネ系『フレフレ』機構の流れを汲んでいる。

「芯が折れない」シャーペン三銃士

街角のクリエイティブ ロゴ


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