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感情が迷子になる、春の珍曲特集

加藤広大 加藤広大


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遠くからホワンホワンが聴こえる。『恋のホワン・ホワン』

Reference:YouTube

動きはチャック・ベリー、メガネはバディ・ホリー、ギターはビートルズ、そしてカヴァーするのはニック・ロウの『CRUEL TO BE KIND』。ジャケットからして期待感を抱かせます。そして、そのままカヴァーを演ると思いきや曲調はフィル・スペクターリスペクトという、歌っている三遊亭圓丈が得意とする実験落語のような珍曲です。

洋楽に割と無茶な日本語詞をつけてカヴァーするというやり方は昔から存在しますが、その中でも特に洒落の効いたこの迷曲。一度聴いたらサビの部分が遠くで聴こえる祭り囃子の残響のように頭の中で繰り返し再生され、人は脱力し、力が抜けたものだから良い気分になり、肩こりも治り、先程まで腹を立てていたことも忘れ、なんだか気前が良くなり、それにより経済がほどよく回り、世界はどことなく平和になるのです。ホワンホワン。

まだまだある。広大なる迷曲、珍曲の世界

以上、洋邦問わず、迷曲珍曲、いわゆる珍盤奇盤をご紹介しました。まだまだ紹介したい曲はたくさんあります。有馬龍之介、梅宮辰夫、西郷輝彦、みさおようこ、ジョニー広瀬、平泉征、田村正和などなど……。ただ、一気に全部聴くと疲れますし、気が狂いそうになりますし、すべて聴く人もいないでしょう。ですので今日はこの辺で、また時期をみていろいろとご紹介させていただきます。

ヒット・チャートだけでなく、こういった音楽を聴いて笑ったり、困惑したり、無駄に感動してみるというのも、また音楽のひとつの楽しみ方です。人生には終わりがありますが、音楽探求の旅には終わりがありません。将来、珍盤奇盤を探したり聴いたりした時間を計算して、「なんて無為に時間を過ごしてしまったんだ!」と笑いながら椅子からずっこけるために、これからも精進していきたいと思います。

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