3．神か仏の創造物か、偉大なる奇跡。球型UFO
時は遡り、9世紀のフランス・リヨンでもUFOは目撃されています。この事件が上記2件と違うのは、何といっても実際に4人の民間人が搭乗したということに尽きます。
事件の詳細はというと、ある日、空から球状の物体が重なりながら降下してきたことに端を発します。その球体はやがて草原に着陸し、中から3人の男性と1人の女性が現れたそうです。それを目撃した村人は、9世紀らしく「こりゃ魔術師の類に違いない」と即刻処刑（これまた中世ヨーロッパらしく火炙り）を思い立ちますが、「まあ、ちょっとこれは異常だし」と思い直し、とりあえず話を聞いてみたところ、彼らはこう答えたそうです。
火炙り参考画像『バーデンで火刑に処される3人の魔女』（出典：Wikipedia）
「自分たちは民間人で、この前野原で遊んでいたら先ほどの球状の物体が現れて、そこから出てきた男たちが『僕達、怪しい者じゃないんで』っていうもんだから、一緒に球体に搭乗させてもらい、空から地表を眺めたり世界中の街を旅行していたんです。で、今帰ってきたところで」
彼らは衰弱しながら懸命に説明するも、
「自分で怪しくないって言う奴は大概怪しい。よってやっぱり、何があるか分かんないし、とりあえず火炙りにしとくわ」
と色めき立つ村人たち。男女4人は間一髪というところで、現場に居合わせた司教の「ちょっと待ってやめようよ、そんな前時代的な処刑はさ、これからは友愛の時代だよ」という介入をしたかどうかは分かりませんが、運良く処刑は免れ、この事件は司教の手によって記録されたのであります。
ちなみに、その球状UFOを描いたものがこちらになります。
球状UFOの降臨（出典：marilynkaydennis.wordpress.com）
いやはや、この素晴らしい物理法則を完全無視したようなフォルム。上から操舵室、居住区、食堂・購買、機関室とかになっているんでしょうか。夢が膨らみます。残念ながら4人による内部の描写は無いようですが、丸い窓が付いていたそうなので、おそらくドラゴンボールのカプセル宇宙船をバカでかくしたような感じでしょう。さらに、見知らぬ人間を無料で旅行に連れて行ってくれるという搭乗員のホスピタリティも見逃せません。まさに中世に現れた空飛ぶ移動ホテル、一度は乗ってみたいUFOとなっております。
