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『デヴィッド・ボウイ』という演劇の終わり

加藤広大 加藤広大


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キツい、凄いなどと言っていても、何が何やらですので、初見を終えた感想はというと、

「あ、最後までデヴィッド・ボウイは『デヴィッド・ボウイ』を演じていて、それを終わらせたんだな」

というものでした。少し補足すると、デヴィッド・ボウイは過去に数度、ジギー、シン・ホワイト・デュークなどの架空のキャラクターを演じ、そこから脱却しては、常に(よい意味で)ファンの期待を裏切る、まったく新しい作品を制作し続けていました。

なので、彼の死に関しては繰り返しになりますが、「いよいよ人生の最期、“デヴィッド・ボウイ”という役柄に自らの手で幕を引いたのではないか?」ということです。

自分の死さえも演劇化してしまうことにより、デヴィッド・ボウイという“登場人物”が、ジギーなどと同様に実は架空の存在だったのではないかと錯覚してしまうほど、最期の最期で、とんでもないアートを遺してくれたものです。

この、彼が“死をアート作品にした”という点においては、本アルバムのプロデューサであるトニー・ヴィスコンティが英紙テレグラフのインタビューにて

「アルバム発表の時期もふくめて、すべてを故意におこなっている」

「彼の人生と同じように、彼の死も芸術作品だった」

と語っていることから、どうやら間違いありません。ちなみにこの曲は、ボウイからファンへのメッセージにもなっているそうです。なにせ歌い出しが

「Look up here, I’m in heaven(見上げてみなよ、俺は天国にいる)」

です。

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