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(後編)ゲルインキボールペン「ハイテックC」はなぜ廃れたのか

原田真帆 原田真帆


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カスタマイズの強みとは何か

カスタマイズの戦いの裏番組がある。三菱鉛筆はミレニアムの頃から「油性ボールペンの短所を全て潰す(ウィキペディアより引用)」ことを目指して、まったく新しい油性ボールペンの開発にいそしんでいた。それが「ジェットストリーム」だ。華々しく2006年にデビューすると、書き味の良さに人々は驚愕したのだ。

そう、書き味はパイロットの強み。「鉛筆の会社にペンの書き味を取られてどうする!?」とわたしは僭越ながら心配したものだった(と言いつつジェットストリームも使っていたが)。ところがパイロットは負けていなかった。

対抗馬はハイテックではなかったが、それはハイテックには自信があったからであろう。彼らは「ボールペンの特徴」であった「消えないこと」を捨て、「鉛筆の長所」である「消えること」を搭載した「フリクションボール」を2007年に発売し、これが大ヒット。

その後両者ともに定番商品となるも、三菱(スタイルフィット)が強かったのは、カスタマイズ型の中身にこの人気者「ジェットストリーム」を入れたことだった。パイロットのカスタマイズ型が「ハイテック」というブランドにこだわるものであるのに対して、三菱のカスタマイズ型は自社製品の「いいとこ取り」ができる、まさにカスタマイズの特性が活きていた。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/01/S__12746776.jpg
左がジェットストリーム。スタイルフィットにはジェットストリームのレフィルも。対して右のコレトはハイテックインキのみ

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