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【5分で分かる】今さら人に聞けない「アデル」の全て

加藤広大 加藤広大


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アデルが影響を受けた音楽

アデルは自身が影響を受けた音楽として、エタ・ジェイムズ、ジル・スコット、ロバータ・フラック、スティーヴィー・ニックスなどを挙げています。中でも、『i-D』誌のインタビューにおいて、スティーヴィー・ニックスと対面した際のことをこう語っています。

「彼女の前で泣いちゃったわ。なんてことなの。有名人の前で泣くのは気まずいし、相手にも申し訳ないから好きじゃないの。でも、この時は自分を抑えられなかった」

補足しますと、スティーヴィー・ニックスとは、リンジー・バッキンガムと共にやっていたバッキンガムニックスから一緒にフリートウッド・マックに加入し、アルバム『噂』で大成功を収め、ソロとしても1981年の『Bella Donna』から2011年『In Your Dreams 』まで、今なお活躍し続けている女性シンガー・ソングライターで、一言で言うなら“いい女”です。

特徴的な声、妖精のような(過去)姿、キュートさと妖艶さ(黒魔術やってましたし)を同居させた、謎と神秘に満ちたシャーマニスティックな存在の彼女に、アデルが憧れてしまうのも無理はないでしょう。スティービー・ニックスについては、当方熱烈なファンのため非常に話が長くなりますので話はこの辺りにして映像をひとつ貼っておきます。

Stevie Nicks『Edge Of Seventeen』

Reference:YouTube

ソロデビューアルバム『Bella Donna』より、『Edge Of Seventeen』です。この曲、ジャック・ブラックが主演の素晴らしき音楽映画『スクール・オブ・ロック』でも、パブで生真面目な(そして愛すべき)校長とやりとりするシーンで使用されているのですが、スティーヴィー・ニックスが本国ではどのような位置、知名度にいるのか、ということがハッキリと解るシーンですので、音楽好きには必見です。

スティーヴィー・ニックスに話が滑ってしまいましたが、当のアデル本人の歌い方については、エタ・ジェイムス、ジル・スコット、あたりをルーツとしていると考えて間違いないでしょう。中でもエタ・ジェイムスの影響は、アデルのみならずエタ以降すべての女性ミュージシャンが何らかの影響を受けていると言っても過言ではない……かもしれません。


エタ・ジェイムス(出典:Wikipedia

ノラ・ジョーンズもビリー・ホリデイナンバーをエタ・ジェイムス風に歌う。なんてことをやっていましたし、映画『キャデラック・レコード』でエタ・ジェイムス役を演じたビヨンセや、エイミーワインハウス、ジョス・ストーン、遡ればジャニス・ジョプリンまで、多くのミュージシャンに影響を与えています。

アデルが影響を受けたとよく言われる、エタ・ジェイムズ、ジル・スコット、ロバータ・フラックの他にも、ボニー・レイット(『I Can’t Make You Love Me』をカヴァーしていますし)アレサ・フランクリンあたりからも間違いなく影響を受けているはずです。実際に、アデルとボニー・レイットの『I Can’t Make You Love Me』を比べてみましょう。

Adele『I Can’t Make You Love Me』

Reference:YouTube

Bonnie Raitt『I Can’t Make You Love Me』

Reference:YouTube

カヴァーされているボニー・レイットの一方、アレサ・フランクリンはというと、逆にアデルの『Rolling In The Deep』をカヴァーしているという、ちょっとした逆転現象も起きています。アレサの方はまさかの途中からマーヴィン・ゲイとタミー・テレルの『 Ain’t No Mountain High Enough』になっていたのに笑いましたが、ともあれ、これを見るに、アデルは往年の(もちろん現役の方もいますが、念のため)名女性シンガーソングライターと肩を並べ、既に音楽史にその名前が深々と刻まれていると捉えてもよいでしょう。こちらも、実際に聴き比べてみると関係性がよく分かります。

Aretha Franklin『Rolling In The Deep』

Reference:YouTube

Adele『Rolling In The Deep』

Reference:YouTube

聴き比べてみると、ボニー・レイット、アレサ・フランクリンに負けず劣らず、アデルが素晴らしいシンガーであることがお分かりいただけると思います。アデルはまだまだ27歳、これから迎える30代0代と、歌声や楽曲がどのように変わっていくのかとても楽しみです。いつかアデルがアレサ・フランクリンがそうしたように、将来の若き歌姫をカヴァーすることもあるかもしれませんね。これもまた、楽しみです。

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