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(前編)ゲルインキボールペン「ハイテックC」はなぜ廃れたのか

原田真帆 原田真帆


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「ハイテックC(HI-TEC-C)」というボールペンをご記憶だろうか。パイロットコーポレーションが出すそれは、単色ゲルインキボールペンの中では圧倒的なシェアを誇っていたと記憶する。1本が税込210円(当時)と並みのボールペンの倍の価格であったが、筆者が中学生の頃にはこれが筆入れの王道で、何本も持つのが主流であり、ステータスだった。

しかしもうここ5年くらい、街角での存在感はほとんどない。文房具売り場では流行りのペンの下段にひっそりと並ぶ程度。同じハイテックCでもコレトという名の、カスタマイズ式多色ボールペンはまだ人気があるものの、それすら他社製品に目立つ商品棚を取られがちだ。一世を風靡したゲルインキボールペンは、なぜ急激に廃れたのか。その理由を2週に渡って考えてみたい。

ハイテックの台頭、そして黄金期

ハイテックCは「にじまずなめらかに書ける、激細ボールペン(引用元:パイロットコーポレーション公式サイト商品ページ)」として、1994年に発売された。期間限定カラーなどもあり、最多で40色を展開したその多彩なカラーバリエーションが好評を博す。特にゼロ年代は大ブームを巻き起こし、社会人も学生も男女問わず使っていた。

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透明なボディはスタイリッシュさを感じさせ、価格は確かに高めだがインクもたっぷり入っていた。クセになる書き心地と細い筆線なのに鮮やかな発色は、ノートへの筆記や資料への書き込み、あるいは女子生徒の手紙交換の文化に重宝されたのだ。

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中の芯をシールなどで飾る女子も多かった

街角のクリエイティブ ロゴ


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