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不幸な死を遂げたミュージシャンたちの散り際エピソード〜男女関係編〜

加藤広大 加藤広大


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気付けばジム・モリソンより歳上でした。ライターの加藤です。若くして才能もありながら、惜しまれながら亡くなってしまったミュージシャンたち。今回は彼等が人生というステージから降りた時のエピソードをご紹介します。

他人の嫁と不倫して夫に毒殺されたギタリスト

十字路(クロスロード)で悪魔に魂を売り渡し、文字通り悪魔のようなギターテクニックを身につけたと言われている伝説のブルースマンにして、ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト第71位のロバート・ジョンソンは、一説によると1938年に他人の嫁と不倫して、浮気相手の夫に毒を盛られ殺されたと言われています。


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ロバート・ジョンソン(出典:wikipedia

ロバート・ジョンソンが毒を盛られた当日、一緒に居たというミュージシャンのサニー・ボーイ(ライス・ミラー)によれば、ライブの合間、知らない誰かが封を切られたボトルを持って近寄って来て「ロバートさん。お酒です」とボトルを渡し、ロバートがそれを飲もうとすると、サニーがいきなりそのボトルをぶん取り、床に叩きつけ「開いたボトルは飲むんじゃないよ、何が入ってるか分かんねぇよ」と忠告したのですが「何すんだよ俺の酒だよもったいねぇよ」とロバートは口答えし、再び同じ奴が持ってきたボトルを飲み、ライブの演奏が再開して少し経った頃、突如演奏をやめ、ふらふらと外へ出て行き苦しんだその3日後には死亡してしまったと言われています。

この死亡説には諸説あり、このボトルを持ってきた人物が不倫された旦那さんで、ストリキニーネを盛られ毒殺されてしまった説、人妻との情事を旦那に目撃され、その場で刺殺されたという説や、そもそも病死であるという説もあります。さらに、このエピソードを語った当のサニー・ボーイがまたとんでもなく大ボラ吹きなので、真実は今後も明らかにならないままでしょう。

もしかしたら、実は酒を持ってやって来たのは、人間に姿を変えた悪魔で、十字路での契約期間が切れ、命を奪われてしまったのかも知れません。

Reference:YouTube

三角関係のもつれで内縁の妻に射殺されたトランペッター

ジャズミュージシャンでトランペット奏者のリー・モーガンは、1972年2月18日にニューヨークのジャズクラブ「スラッグス」で行われたギグの幕間、三角関係がもつれた末に内縁の妻ヘレンに拳銃で撃たれ、死亡しています。


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リー・モーガン(出典:wikipedia

この内縁の妻ヘレン、実はモーガンをドラッグから救済しようと努力したり、ジャズクラブに出演できるように口聞きしたりと、世話焼き女房、肝っ玉母さんのような存在だったようです。しかし、当の世話になっているモーガンは、自分に向かって日々厳しい言葉を投げかけ、尻を叩いてくれる厳しい彼女の束縛や小言から逃れるためか、家に帰らず新しいガールフレンドと同棲を始めるというダメなバンドマンの典型のような生活にすっかりハマってしまいます。

事件の日「スラッグス」にヘレンが行くと、鉢合わせたモーガンの彼女が「ちょいと! 奥さんとは別れたって言ったじゃない! どういうことなのよ説明して!」とベタな反応を見せ、さらにベタなモーガンが「うん、そうだよ。別れたよ。付き纏われて困っちゃってるんだよね。割とマジで」などとやっぱりダメなバンドマンの鏡のような発言をしたところヘレンは激怒、積年の恨みを混めた渾身の平手打ちを心の奥底でちょっぴり残った愛情と共にお見舞いすると、逆ギレするモーガンに店の外に放り出されるという非道な扱いを受けてしまいます。冬のニューヨークは余りに寒いので一緒に放り出してくれなかったコートを取りに店に入り直したところ「出てけって言っただろ」と、理不尽にプリプリと怒りながら鬼の形相で向かってくるモーガンに、思わず手にしていた拳銃を発砲してしまうのでした。

悲しいことに、凶器となったピストルは、モーガンがヘレンに「留守中にひとりぼっちだと心配だから」と護身用にプレゼントしたものでした。

Reference:YouTube

全裸にコートを羽織りながらモーテルの管理人に射殺されたシンガー

女性トラブルと言えば、偉大なるソウル・シンガー、サム・クックも忘れてはいけません。1964年の12月11日、もう売れに売れてノッてる時分です。ハリウッドの酒場で出会ったリサ・ボイヤーという22歳の女性と、自慢の高級フェラーリで場末の安モーテルにしけこもうとしていました。


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サム・クック(出典:wikipedia

しかし、単に呑みの河岸を変えるだけだと勘違いしていたリサは「どうやらここ酒場じゃなくてモーテル、逃げねば貞操が」とサムがシャワーを浴びている間に彼の服をサッと隠蔽して逃走、バスルームから出てきたサムは「ちょっと待ちなさいよ。誤解もあるかもしれねぇよ」と追いかけようとしたものの、リサの作戦が功を奏し服が見つからず、仕方がないので全裸にコートだけを羽織りモーテルの管理人室に飛び込みました。ドアの蝶番をぶっ壊して全裸にコートで飛び込んでくるサム・クック。これは怖いです。で、この時かなり酔っ払っていらっしゃるように見受けられたため、身の危険を感じた管理人のバーサ・フランクリンは持っていた22口径で至近距離から彼を撃ってしまいました。

サム・クックの死についてはさまざまな憶測、陰謀説各種取り揃えてさまざまな人が、いろいろな説を述べています。本当のところは一体どうなのでしょうか。個人的に大好きなシンガーなので、真実を知りたいところです。

事件が起こるその年の3月、サムは「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」という、人種差別の無い社会が来ることを願った歌を発表したばかりでした。葬儀の日、涙雨の中、ゲットーの家々からは式が終わっても彼の歌声が響いていたそうです。

Reference:YouTube

以上3名、男女関係のもつれで夭逝してしまった(と言われている)ミュージシャンを紹介させていただきました。いやはや、いつの世も男女問題は面倒なものですね。なるべく刺されたり、発砲されないように真面目に生きていこうと思いました。
さて、ミュージシャンの命日などを調べていたら飲みに行きたくなってしまいました。今これを書いている10月4日はどうやらジャニス・ジョプリンの命日のようなので、今から出掛けて近所のバーで「バイ・バイ・ベイビー」でも聴かせてもらおうと思います。ありがとうございました。

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