出典:YouTube
今年のノーベル文学賞はボブ・ディランの歌詞が選ばれた。全世界の誰もが想像していなかったことだと思う。ディランファンの中には歓喜した者もいれば、ぽかーんと口を開けて困惑した者もいるだろう。ちなみに『風に吹かれて』と『ライクアローリングストーン』ぐらいしか知らないわたしは、今年も『なぜ村上春樹はなぜノーベル文学賞をもらえないのか』というネット記事が量産されるんだろうなあと、ぽけーっと考えていた。
ディランは音楽というジャンルを飛び越えた。そして、文学の世界でも評価された。ロックを芸術に高めた・・・うんぬんかんぬんの一部の議論は置いといて、音楽のひとつの側面でもある歌詞が注目されたのはいい事だと思う。インストゥルメンタル音楽を除けばたいていの曲は、楽器、歌声、歌詞で構成されている。
しかし、ネット動画配信があたりまえとなった現代、これら3つの要素に加え、もうひとつ重要な要素が増えた。それが、映像=ミュージックビデオ(MV)である。曲を聴いて、そのアーティストを好きになるという時代は終わった。いまやMVを見てアーティストを好きになる時代である。世はまさにMV戦国時代! そんな群雄割拠の中、異彩を放つアートなMVを、今回はいくつか見ていきたいと思う。
『日々の音色』SOUR
知っている人は知っている。知らない人は驚愕する、アイデアが炸裂しまくっている超秀逸MV。こちらはSOURのオフィシャルホームページやコミュニティサイトで協力者を募り、世界中のSOURファンの協力のもと、作成された。結婚式の余興ムービーでも一般の人が模範して作っているということもあり、SOURのオリジナルを見たことはないけど知っている、という人もいるかもしれない。また、2009年には文化庁メディア芸術祭で受賞している。
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『アルクアラウンド』サカナクション
おそらく今回紹介しているMVの中で一番有名かもしれない、サカナクションを代表するMV。ご覧いただけばお分かりの通り、曲の始まりから終わりまで、一発撮りされている。ボーカルの山口さんがただただ歩く姿を追っているだけなのだが、パズルのように配置されたオブジェが遠近法を用いて重なりあい、立体的な歌詞を作り上げる。その様子は圧巻である。こちらのMVも2010年に文化庁メディア芸術祭で受賞をしている。それにしても、一体何回リテイクしたのだろうか・・・。
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『Liberty & Gravity』くるり
カオスすぎてよく分からない。よく分からないまま、1度でも見てしまうと、いつの間にか2度、3度と繰り返し何度も見てしまう恐れがある中毒MVである。何度も繰り返し見るといつの間にか大好きなMVになっているのだが、どこが好きかと問われると明確な回答ができない。こちらのMV監督は、きゃりーぱみゅぱみゅの作品も手掛けていることで有名な田向潤さんである。この人の作るMVはどれも世界観が独特すぎて、見ているとパラレルワールドに引き込まれた感覚に陥る。
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