デペイズマンとは、そのいろいろな使い方
デペイズマンとは、1920年代頃から興った「シュルレアリスム」という思想、芸術活動の中で詩人や画家たちが作品制作に利用していた技法のことです。
具体的には、
「意外な組み合わせをすることにより、鑑賞するものを驚かせ、途方にくれさせる」
というもので、19世紀の詩人、ロートレアモン伯爵の『マルドロールの詩』の「解剖台の上でのミシンとこうもりがさの不意の出会いのように美しい」という詩句を原点にしているといわれています。つまり、「そこにあるはずの無いものを絵画や写真の中に持ってくることにより、それらが出会い、最初の状態からはまったく違った新しいイメージが創り上げられる」というような感じでしょうか。
このデペイズマンは、場所、大きさ、材質、人体、または時間などにも応用できます。これらを上手く利用することにより、自分でもあっと驚くほど、どうかしてるイメージを作成することが可能になるのです。実際に、場所や大きさなどをデペイズマンではどう考えるのか、順番に説明します。
場所のデペイズマン
モノを本来、あるはずが無い場所に置くということです。たとえば、バレンタインデーのビジュアルだったら、チョコレートの箱の中に伊勢海老や荒巻鮭が入っていたら完全にどうかしてると思わざるを得ません。
また、下記に参考画像として、再び酩酊状態で作成した「架空のバンドのアルバムジャケット」を貼り付けましたが、月の画像にあるはずの無いヒッピーバス、それを見つけたと思われる宇宙飛行士を配置することにより、「アメリカより先にヒッピーは月に着陸していた」なんていうストーリーを持っていそうな不思議なイメージができあがります。