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バイセクシュアルのわたしが彼氏から言われたこと・彼女から言われたこと3選

岡田麻沙 岡田麻沙


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男「手をつなごう」女「電車に乗ろう」

男と手をつないでそこらへんを歩くのは、春! という感じで実に楽しい。田舎の、八百屋や肉屋の並ぶ小さな商店街を、はじめての彼氏と手をつないで歩いたときに感じた明るい幸せは今でも覚えている。あんまり幸せで、手をつないで歩くという行為を最初に思いついた奴はマジで天才だと思った。

忘れられない手の記憶がもう1つある。はじめての彼女と、一度だけデートをした時のことだ。「電車に乗りたい」と彼女は言った。その提案にわたしはドキドキした。

「中学生がデートで電車に乗るのぐらい、普通のことだろう」と思うのは、都市部の人間である。わたしが育った田舎では、電車は1時間に1本か2本しかやって来ないレアな存在だった。そもそも最寄り駅にたどり着くまでに自転車でひとつ山を越えなければならなかった。そして駅に着けば着いたで、構内にいる10人程度の客(これで全部)の中に、なぜか知り合いがいるのである。どこかで見たような顔が近づいてきて「あんた、どこに行くんね」と聞いてくる。答えないという選択肢はない。翌日学校に行くと級友に、「昨日、駅におったんやってね」と声を掛けられる。そんな世界だ。駅も電車も、非日常だった。

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