一筋縄ではいかなかった、お色気画像検索
今では検索窓に打ち込めば、すぐに出てくるお色気画像や動画も、今よりはるかに手間がかかった。分割ファイルだったり、偽装されていたり、あまりに怪しすぎるサイトのためクリックするのを躊躇したりした。
そして目的のURLを見つけたとしても、ダウンロードするのがまた長い長い。
どれくらい長いのかというと、回線の問題にもよるが、1枚のjpegを表示するのに、数十秒から数分かかることもあるくらいだった。
AAは勢いで入れた。後悔はしていない。徐々に画面に映し出されるお色気画像、今か今かと待ち構え、お色気画像ではなくグロ画像が出てきた瞬間、怒りに震えつつもプチ絶望を感じたものである。
アイコラもそうだ。アイコラとは「首すげ替え写真」のことである。いわゆる職人と呼ばれるマイスターの手により施された素晴らしい加工もあれば、単純に切った張ったの素人仕事も多かった。何度も騙されたものだ。
途中で読み込みが停止することも日常茶飯事だった。これがまた鎖骨のあたりで停まったりするものだからやるせない。
最近では、サイトの表示が2秒遅いだけで直帰率が50%増加するらしい。コーヒーを淹れて一服してPCにの前に戻ってきても、まだ表示されていなかった時代から考えると、とんでもないことである。皆もっと余裕を持ったほうがいいんじゃないだろうか。高速化し過ぎるのも考えものである。
おれたちは、お色気画像を探すことで、インターネットの歩き方を知った。
思えば、このような環境を若いうちに体験したおかげで、人生における我慢強さを体得できた。粘り強く目的の物を探すという根気強さも身に付いた気がする。
そして、我慢の他にも学んだことがある。
クリックする前にリンク先のURLや拡張子を確認する、少しでも怪しいファイルはダウンロードしない、知らないアドレスから届いたメールの添付ファイルを開くなどもってのほか、などなど。
質問する前にまず自分で調べる。用意する。書いているだけで懐かしくて涙が出そうな「極窓」や「iria」解凍ソフトやダウンロード支援ソフトなども自前で調達、使い方が分からなければ、これまた自分で調べ、どうしても分からなかった時だけ、人に聞く。お礼は3行以上。
何より、質問する前に調べることを繰り返したことは大きかった。おかげで検索技術と仕事で使えないPCでスキルは向上し、今では騙しリンクは一発で看破できる能力が身につき、どれだけ大量に広告やボタンがあっても、間違わずに正解をクリックできる自信がある。
このようにして、私のみならず、世の多くの男性がエロの力により、検索技術をはじめとしたPCスキルを身に着けたことだろう。
そう、エロを原動力にした男たちは、お色気画像や動画をネットの海から探し、失敗したり、成功したりするうちに、少しずつインターネットの歩き方を覚えたのだ。
なんだかカッコいいことを書いているような気がするが、これ、全部エロのためである。