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ラッパー彼氏が彼女の就活電話に思わずツッコんだ理由

芦沢壮一 芦沢壮一


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カフェで、隣のカップルの会話。

女性=リクルートスーツ、やや長身の、就活中らしき大学生。
男性=ラッパー風の、ダウンジャケットにキャップを被ったラフな感じ。社会人か、学生か。

2人ともそれぞれにスマホをいじっている。就活生の方の待ち時間に彼氏が付き合ってる感じ。さほど気にもせず私は手帳を眺めたりしていたのだが、ふと彼女のケータイに着信が。

「もしもし」
「はい」
「はい。10日ですね」
「はい、分かりました」

あっさりしていたので、待ち焦がれていた面接通過の連絡ではなかったかな、という感じ。

彼氏「いまの誰?」
彼女「人事。面接通過の電話。」

少し置いて、
彼氏「今の電話は、良くないと思うよ」

お、彼氏どうした。

彼氏「ありがとうございます、っていう感じが伝わって来なかったよ、聞いてて」
彼女「え、そんな、今のは昨日の結果と次の日程の都合を聞かれたから、必要なことを伝えたんだよ。言い方とか関係ないし」

すると彼氏、コーヒーを一口すすって、穏やかに、

彼氏「でもさ、その会社に行きたいから面接受けてるんでしょ? そういう感じが伝わってないと思う、相手の立場を考えたら」
彼女「企業の選考は、いちいち電話の仕方なんか見られてないよ。必要なことはエントリーシートや面接で伝えるんだから。それに今の電話だって別に悪くない。必要なことを伝えるのが目的で、それはちゃんとできたんだから」

まあ、そう考えても仕方ないわな、就活生。まあ検討を祈る、と思っていたら、思いのほか彼氏が追求。

彼氏「『はい』って言う、言い方だっていろいろあるよ。嬉しいです、次回もお願いします、っていう気持ちの『はい』と、なんか事務的な言い方では、相手が受け取るイメージは全然違うと思うよ。僕が相手の人ならそう思うけど」

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