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自撮り女子の本音【連載】さえりの”きっと彼らはこんな事情”

さえり さえり


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(やっぱり、まだ彼のこと好きなのかもしれない)。

自分の中に小さくある気持ちを持ち出してみる。そしてすぐに、(いや、彼が好きなんじゃなくて、彼を好きだったときの自分が好きなだけなんだ)と思い直す。自分の気持ちの扱いは、まだわからない。けれど、1枚の自撮りに気持ちを込めたって・・・いいじゃないか。

たとえ、もう付き合うことはなくても。
それでも彼の目に、どうか触れていますように。

もう一度だけ願いをかけ、彼女は毛布にくるまる。
毛布の中から、くぐもった音が最後に一度だけ響いた。

ひゅっ。

ぱっ。

と、まあ、こんな感じに違いない。

そういうことならマリカ、どんどん写真をアップしていいんだよ。別れたことを後悔していなくても未だ独占欲があるその気持ち、わかるわかるよ。って、本当のところはどうかわからないけれど。

ちなみにここまで「自撮り女子の背景には好きな人がいる」みたいなことを書いてしまったが、今や自撮りのハードルはかなり下がっているので「ごく単純に、暇だから撮ったら、かわいかったので載せてみた」という場合も存在する。

というか、ほとんどの場合はそうかもしれない。やっぱりマリカもそうだったのかもしれないな。ていうか、あの子がマリカかどうかもわたしは知らないままだけど。

【過去の「さえりの”きっと彼らはこんな事情”」はこちら】
理想が高すぎる女
別れ話をされる女
旦那のことが好きすぎる
大豆に似ているエリコ
予約しなかったマリオ

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