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映画はこう撮れ!「千里眼CICADA」脚本家・渋谷悠はじめの一歩

シーズン野田 シーズン野田


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そもそも映画作りだけでも大変なのに、さらに日米を取り持つ外交官のような苦労もしなければならない壮絶な現場。渋谷さんは、なぜ苦労しながらも映画を作るのか。話を聞いていると、映画を作り始めたきっかけも気になり始めました。

 

そもそも役者を目指していました。ミュージカルとか、オペラとか、舞台劇とか色々やりました。でも演技って脚本に書いてあることを伝える技術じゃないですか。たとえ200満点とっても、そのメッセージに同意できなければやる意味あるのかと思ってきて。それに演技の先生が不条理演劇が好きで、イヨネスコとかやらされて。それでメッセージの発信者にならないとダメだと思いました。

さらにそもそもをさかのぼると、何で役者になろうと思ったんですか?

高校時代だったかなぁ。なんか、日本の危機を感じて。

え?

渋谷さん

このままじゃ日本やベーぞって。

高校の頃なんて「日本に生まれてよかった! 母ちゃんおかわり!」って時代じゃないですか?

少年誌の表紙が漫画を表紙にすればいいのに、水着姿の女の子を載せるようになって。物の売り方として性欲にダイレクトに訴えるのはどうなんだろうな、と。それと似たようなことがどんどん起きてるとも感じました。ドラマを見てても「ここは泣くところです!」という音楽がかかったりして、受け手の頭と心を使わせないようにする力を感じて、危険だなと。

フリーメイソンでしょうか。

違うと思う。で、俳優になって「このままじゃまずいぞ」というメッセージを発信したいと思いました。役者の言うことってみんな聞くじゃないですか。

 

役者から始まり、詩を勉強し、そして脚本家になり、今は監督から舞台の演出までこなす渋谷氏の<そもそも>は、高校時代に感じた世の中への危機感。しかし、なかなか映画を撮るところまでは踏み出せなかったと言います。そんな時とある話が舞い込んだそうです。

 

某有名女優を使った作品があったんですが、すでに他の人が書いていたシナリオが第4稿くらいまであって、その次の2バージョンくらいを担当しました。結局それが配給を取って。でも、なぜか一回降ろされちゃったんです。

配給決めたのに、なんでですか?

わからない。まぁいいやーと思ってたんですけど、ある日電話がかかってきて、出資者が今の脚本だとお金を出せないっていうから、渋谷さん明日までにリライトしてくれないかと。

それはひどい。フリーメイソンですか?

違うと思う。しかもその電話がかかってきたの夜だったんですが、どうせ最初と終わりだけしか見ないだろうから、そこだけ変えてなんとかやりました。死体に死化粧するようなもんですね。その時、みんな何にも知らないでやってるんだなぁと思いました。それで結局1億もかけて、すげーこけるわけです。週刊新潮に過去7年で2位のこけっぷりという区切りで記事が出たりしましたね。その経験から最初から最後まで自分でやってみたくなりました。それで、自主映画のセミナーに通って、いろんな自主映画あるあるをブレクダウンして教えてもらったんです。

これだったら自分でも撮れるなという感覚は、作品作りのモチベーションとしてすごく腑に落ちますね。

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