映画はこう撮れ!「千里眼CICADA」脚本家・渋谷悠はじめの一歩

シーズン野田 シーズン野田


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「本当は映画撮りたいんだよね〜」

そう打ち明けると、「実は自分も」と恥ずかしそうに手を挙げるクリエイターをこれまで数多く見てきました。その憧れはクリエイターに限らず「野菜が恋に落ちる『ベジタラブ』って映画を撮りたいからシナリオを書いてくれ、らっしゃい」という八百屋の友人もいました。ちなみに野菜のセックスはミックスジュースで表現するつもりだそうです。

「撮りたいなら撮ればいいじゃない?」と言うと「クライアントの要望もまともに聞けない馬鹿な代理店相手に消化試合みたいなクリエイティブをし続けることで手がいっぱいなんだ」という現実を突きつけられる。確かに。忙しい日々の中では映画を撮るなんて夢のまた夢。

自分もその昔、大学時代からの仲間と映画を数本撮りました。しかしあの頃にあった「ノリ」は、今はもう枯渇中。ノリが現実に負ける「ノリ負け」状態、ノリマケさんです。でもそんなノリを復活させ、なんでもいいから映画を撮りたい! という戯言を引っさげ今回は、インディペンデント系の映画「千里眼CICADAをご紹介します。

最近はもっぱら邦画大作でSEO対策と、韻をふむ記事ばかりを書いておりましたが、よく考えれば自分の周りにも面白い作品を撮る人がたくさんいることに気がついたのです。

ということで、予告編をサクッとご覧下さい。

Reference:YouTube

「これは無精子症ですね・・・」
子供が残せない事を告げられた種田(種なしの種田)は、彼女のゆかりにそのことをなかなか告げられずにいます。

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そんな中、種田は千里眼になり、彼を導くような映像が断片的に“見える”ようになります。その光景をたどっていくと、必ず蝉の抜け殻に到達します。自分が空っぽだとわかった種田が代わりに引き受けた能力はあまりにしょっぱかった。

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なかなか関係が進展しないゆかりはしびれを切らし子供ができたと嘘をつきます。

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種田の妹である七香の小学生の息子、亮太はいじめられていますが、七香はどうしたらいいのかわかりません。

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七香の旦那の芦原は、無職でパチンコ好きのダメ男。真面目な種田と正反対。

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浦島太郎や桃太郎のその後を紙芝居で描く鴈金さんは、どうやら自分の子供との関係に失敗している模様。

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児童の母親と浮気している亮太の担任別府は、子供達にげっぷ先生と呼ばれ影で泣いています・・・。

本作は、そんなダメダメな登場人物たちが、蝉の抜け殻や昔話のその後の解釈、なかなか割れない亀の甲羅とピニャータなど、様々なモチーフと重なりながら、暗示的に未来へ踏み出す群像劇です。

作り手に聞いてみたそもそもの話

第66回ベネチア国際映画祭を始め世界中の映画祭で短編映画「自転車」が評価された、脚本家“渋谷悠”と、日系アメリカ人監督“ディーン・ヤマダ”が再びタッグを組み制作した本作は、出演者は全員日本人にもかかわらず、スタッフのほとんどがアメリカ人。想像するとなんとも異様な光景ではありますが、そんな日米の橋渡しになったのが、脚本家の渋谷悠です。

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「鳴かぬなら、殺してしまえホトトギス」
これは織田信長でありますが、
「企画が通らぬなら、撮ってしまえいいんじゃねーのかやつだぜホトトギス」
とばかりに映画を撮る男。本作のプロデューサーでもあります。撮っては賞を獲りまくり、もらったローレルだけで服が作れるとか。

今回はそんな渋谷氏に、本作の「はじめの一歩」をお聞きしながら、映画作りのヒントを探っていこうと思います。
そもそもどうしたら完成にこぎつけることができるのか!? 聞いてみたくなったのです。

街角のクリエイティブ ロゴ



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