電通コピーライターさんと考える「働く」が、優しい言葉なのに胸に突き刺さりまくった話

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8月3日に開催された、ハタガク第5回をレポートさせていただくオルカです。ただいま学生最後の夏休みを謳歌することに全力を注いでいる、ミーハーな女子大生です。

今回、「働くを『働きかける』に変える」をテーマに、自分の仕事を、自分で生み出す働き方についてお話してくださったゲストは、電通のコピーライター阿部広太郎さん。なりたい職業がたくさんあり、コピーライターというお仕事にも憧れのある私にとって、絶対に参加したい回でした。

そして阿部さんは冒頭で、今日の目標として

「たったひと言でも、忘れられない言葉を、 お土産として持って帰ってもらいたい」

とおっしゃっていたのですが、終わってみて思いました。

お土産が多すぎて、スーツケースが必要。
そのくらい、忘れられない言葉がたくさん詰まったお話だったんです。

ということで、その大量のお土産の中でも今回特に印象深かったものを、いくつかピックアップしてご紹介したいと思います。

阿部広太郎さんのプロフィール

中学3年生のとき孤独な学生生活を脱しようとアメリカンフットボールを始め、大学まで計8年間続ける。

アメフトをしているときの一体感が人生で1番好きな瞬間であると感じ、「世の中に一体感をつくる仕事がしたい」と、2008年電通に入社。1年目は人事局に配属。入社2年目からは、クリエーティブ試験に合格しコピーライターに。

現在は電通のコンテンツビジネス・デザイン・センターで、コピーライター/プロデューサーとして活躍中。2015年からはBUKATSUDOで講座「企画でメシを食っていく」を主宰。著書『待っていても、はじまらない。―潔く前に進め』(弘文堂)

「自分はもっと、自分になれる」

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広告の仕事で賞を獲れるようにもなり、仕事で評価されるようになった2013年ごろ、当時社会人5・6年目だった阿部さんは、ふと思ったそうです。

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阿部さん
会社にいると広告賞を獲ることで評価される側面があります。コピーライターとかプランナーって500~600人くらいいて、賞で目立って大御所の人に見つけてもらって、そういう方たちと仕事をして成果を出せるかどうか…という、ひとつの確立されたレールがあるなと思ってたんです。頭のどこかで、その道を進むことがすべてという考えに支配されていた自分がいて。いつの間にか賞が獲れるような仕事が来ないかなぁと考えてたんです。今思えば、受け身の姿勢で、何考えてんだよって話です。仕事は本来、そういう賞ありきのものじゃない。その時、そもそも僕は何がしたくてこの広告の仕事をしているんだっけと、考えたんです。

そしてビジネス本を読み漁った結果、阿部さんは気づきます。

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阿部さん
1/500、500人くらいいるうちの自分ひとりというように、誰かと比較してしまうときは、弱っているときなんだと思います。そうじゃなくて、まず考えなくちゃいけないのが自分の中の自分、1/1なんじゃないかって思って、誰かと差別化する前に、まずそもそも自分が何したいのかっていう、自分の中にある本質的な熱い気持ちを、ちょっと見つめたほうがいいなと思ったんですよ。自分はもっと、自分になれるんじゃないかっていう。まず自分が何をしたいと思うかが大事で。

その際、阿部さんはさらにもう一つ思ったことがあったんだそうです。

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阿部さん
人って環境に適応していく動物なので、油断していると反応することに慣れてしまいます。反応して、反応して、反応して、終わる一生で自分はいいのか? と思ったことがあって。自分がやりたかったことは、世の中に一体感をつくること。そのために、Reaction じゃなくて Actionを自分は作らなきゃいけないし、今日のタイトルにさせてもらった、働くということを「働きかける」へ意識転換しなきゃいけないんじゃないかな、と思ったんです。自分が培ってきたコピーを考える力、すなわちそれは本質を言語化して、人の行動を起こしていく力を、もっと社会に働きかけていけるんじゃないかなと思いました。

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レール上から出て自分のやりたいことを実現するのって、自由なようですごく厳しい選択なんじゃないでしょうか。私も今は、こういうことがしたい! という根本的な部分の理想を持っていますが、阿部さんのように自問自答して自分の働き方を見つめなおしていく機会を設けないと、いつかどんどん流されていってしまいそうで不安です。

「うまくいった時こそ、自問自答する」

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自身の中で革命が起きた仕事だったという、甘太郎の「太郎割」の仕事を終え、すごく生きている実感があったという阿部さん。

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阿部さん
これは僕の中で成功体験だったんです。だけど、「広太郎という名前だからうまくいったんだ」で終わらせたくないと思って。
この成功体験を次に繋げるためにも、うまくいった時こそ自問自答しようと思っていて、考えたことが3つありました。この3つを満たせていれば、企画書を届けたときに喜んでもらえるなと思ったんです。

そして阿部さんが考えた3つというのがこちら。

① あなたは本気?
本気で取り組んでいるか。本気の思いがあるか。本気の言葉が伝われば無視されることはない。

② 相手は喜ぶ?
「こういうことを言いたかったんだよ」という、相手が実は欲していたことを言えているのか。相手よりも相手になれれば、自ずと喜んでくれて、企画書がひとり歩きしていく。

③ ほんとに出来る?
責任を持って遂行できるかということ。書かれている内容が無責任だと、嘘をついたことになってしまう。本当にできることを書いていれば信頼は得られる。できないことは書いちゃいけない。

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なるほど。うまくいっているときって調子に乗ってしまうものですが、そんなときこそ、自問自答して次に活かす準備を怠ってはいけないんですね。私は今まで、失敗したときならまだしも、成功を振り返って分析したことってないかもしれません・・・。

「資本主義から、関係主義へ」

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2013年頃から、企画書を作ってどんどんいろんな人に会いに行っていたという阿部さん。
様々な人に会う中で、気付いた事があったといいます。

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阿部さん
こんなはずじゃなかったけど、すごくいいことが起こった!  と思ってもらいたいんです。企画書によって人生をいい方向に狂わせられたら冥利に尽きるなと思って。自分の中の使命感で動いていたので、場合によっては自腹でも作るし、飛行機乗って会いにいくし、まず自分でやっちゃう!  自分が自分に発注する感覚なんです。
それで、明確に考えとしてあるのは、「資本主義から、関係主義へ」だなと。僕の中で関係主義を大切にしたいんです。お金の大小ではなく、信頼関係が大きいか小さいかで物事を考えていく。目先の見返りを求めるというよりは、この関係のためにやるべきだと思ったら一肌脱ぐ。関係を作りに行くというような気持ちで、まず動いてもいいんじゃないかと思っています。こういう関係を育てていくことで、いつか大きな大きな仕事になっていくんじゃないかなと。

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本当に全てのお話に人柄のよさが滲み出ていて、こんなに心の綺麗な大人がいることにびっくりしてしまいます。
学生で親の扶養の下にいるうちはこのような考えを持てるかもしれませんが、社会人として働きながら、「お金の大小ではなく、信頼関係が大きいか小さいかで物事を考えていく」というのを実際に軸にするのは、意外と難しいような気がします。私も社会人になったら、胸を張ってこの考え方を人に言える働き方をしたいと憧れました。

「待っていても、はじまらない。」

阿部広太郎さんの座右の銘であり、著書のタイトルでもある「待っていても、はじまらない。」
今回のお話の中では、このように前向きな言葉が各所に散りばめられていまいた。

例えば、阿部さんは東進ハイスクールのCM「生徒への檄文げきぶん」篇を担当した際、先生たちのリアルな講義映像を何十時間も見続けて、その中から人生訓にもつながるようなセリフを抜き出していく、といったことをしたそうです。

そう。林修先生のあの有名なセリフ

「いつやるか? 今でしょ!」

も、そのうちの1つでした。

また、最後の質問コーナーでも印象的な場面が。

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――話を聞いていて、嫌な印象が一切ないないなと思って。人がちょっとでも嫌な気持ちになりそうなことを、意識的に言わないようにしているんですか? 本当に、悪の感情がいっさい見えなくて。

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齋藤さん
わかるそれ! 俺もすっごい思ってた。

――どうしてこうなれたんだろうってすごく不思議で。

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齋藤さん
優しいよね。Givingだよね。今日何か一つでも持って帰ってください、とかも。
えらいなと思った。

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阿部さん
この3年間でイベントを50回くらいやっているんですけど、人が時間を割いてひとつのところに集まってくるって、すごいエネルギーもいるし、せっかく会えたからには何か持ち帰ってもらいたいし、「せっかくだから」という思いが強いですね。自分を突き動かしている言葉でもあるんですけど、「せっかくだから」に言い換えています。いろんなことを。
例えば何かのイベントに参加して、本人が近くにいるのに、一声かけるか迷った挙句に帰っちゃうときってあるじゃないですか。そういう時に自分の中で、「せっかくだから」で何か一言でも言おうとか。自分の背中を押すためにも、前向きな自分でいられるための、自分の中の言葉をいくつか持っています。

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好奇心もあるし、自分の中で意思は固まっている、でも、実際に一歩踏み出すとなると躊躇してしまう…。そんな場面で、阿部さんの言葉は優しく強く、背中を押してくれる気がします。

特に質問コーナーでの阿部さんの回答にあった、「せっかくだからに言い換える」という一言は、自分の弱点、痛いところをズバリ突かれたような気がして、ポジティブなメッセージながら深く胸に突き刺さりました。だからこそ今度からは、チャンスの前で足踏みしそうになったとき、「せっかくだから」と心の中で唱えて、前進していこうと思います。

質問の手は終了時刻を過ぎても上がり続けました。終了後にも長い列を作る参加者ひとりひとりに、阿部さんはていねいにコミュニケーションを取ってくださっていました。ゲストと参加者の距離が近いのは、このイベントならではかもしれません。

まとめ

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自分から積極的に働きかけることで周りを巻き込んで、新しい流れをつくっていくこと。

今回阿部さんがお話してくださった、「働きかける」働き方はまさに、今の自分に足りていないと思っていた部分、これから目指していかなければならないと思っていた部分と被っており、これから意識して行動に移さなければと、気持ちを奮い立たされました。

また、阿部さんの働き方はもちろん、人との関係を大切にして、いつも相手のことを考えて動く姿勢。これは仕事以外でも重要であり、1人の大人としてとても理想的な考え方だと感じたので、見習っていきたいと感じました。

ハタガクは一見すると意識高い系なイベントですが、参加してみた私の実感としてはどちらかというと、「意識高まる系」なイベントというイメージ。
「自分のような平凡大学生には関係ない」と決めつけ、敬遠してしまっては勿体ないくらい、面白く刺激的な時間を過ごすことができました。

次回のハタガクの開催日程も、もうすぐです!
夏休みのこの機会に、「せっかくだから」で参加してみてはいかがでしょうか!?

ハタガク 第5回への応募はこちらから!
街クリ告知バナーハタガク5回目_記事用_2

過去のハタガクの様子は下のリンクから確認できます!
第1回 『意識低めな大学生が電通を辞めたベンチャー社長2人の話を聞いて腰を抜かした話』
第2回 『意識高すぎる就活セミナーに冷やかしに行ってみた。内定してもまだゴールじゃないらしい(笑)』
第3回 『就活興味なし系大学生が、正反対のキャリアを歩んだ2人の社長の話を聞いて意識が高まった話』
第4回 『社会人が学生の100倍楽しくなる思考法があるというので、聞きにいった結果・・・』

[編集]街角のクリエイティブ編集部
[ライター]オルカ

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