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家なし生活を10ヶ月続けている、ハイパーノマドお兄さんに話を聞いてみた

岡田麻沙 岡田麻沙


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すげえ・・・。北畑さんは営業職ですよね? スーツとか、必要だと思うんですが。

スーツは2着あって、両方とも会社のロッカーに掛けてあります。くたびれてきたらクリーニングに出して、また会社のロッカーに仕舞う。会社のロッカーがプライベートなクローゼットみたいな感覚ですね。

会社で着替えているってことですよね。周囲から、なんか言われませんか?

はよ家借りろって言われますね。

直球ですね。

まあ、その上司はまだ冗談で言ってくれているみたいなので、大丈夫かな、と。

家を借りる気はない、と。

僕としては、「家なし生活」を続けていると皆から「なんで?」と聞かれるけど、そっちのほうが「なんで?」という感じです。日々新しい刺激に触れることができるし、身軽だし、掃除の必要もないし、普通に暮らしていたら絶対に遭遇しなかった出会いもある。移動に慣れてくると、週末にふっと東京を離れて旅行をすることも全然億劫じゃなくなる。日常と旅との境目がないんです。今のところ、この生活をやめるというイメージは持っていないです。

北畑さんは、ハイパーノマドな生活を送るかたわら、ちゃんと会社に行って、スーツを着て仕事をしている。週末は、古典を読む人たちを集めたイベントを開催している。振り幅が広いですよね。とても面白いバランスだなと思う。読書会は、どのくらい続けているんですか?

もう2年ぐらい。だから、家なし生活をはじめるよりも前からです。公共性のある学びの場を持っておこう、という思いがありました。合理主義的な価値観とは違う形で、思考そのものを体験する必要があると。仕事をしているとどうしても、合理的であることとか、効率的であることとか、「目的を達成すること」が「価値」とイコールになっていく。そのことに対する危機感があった

ああ・・・・・・。

僕はハンナ・アーレント(※ドイツの哲学者、良く知られた書著は『人間の条件』)がすごく好きで、あの人はマジですげえと思ってるんですけど、彼女の言っていることの1つに、「予測不可能性」というものがあるんです。これは言論活動において最も体験できる、とアーレントは主張している。誰もが「未来を予測したい」と考えるこの世の中で、「予測不可能性」を評価する態度には、とても考えさせられる。私自身この「予測不可能性」こそが人生を面白くするし人間らしさを実感できると考えています。

なるほど、予測不可能なものを破たんと捉えない。じゃあ、家なし生活をはじめた理由には、そういう思想的なものが強かったんですか?

いえ、家なし生活を開始したのは、そのほうが安かったからですね

めちゃくちゃ合理主義的ですね

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