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そろそろ消極的な選択をやめないか【連載】松尾英里子のウラオモテ

松尾英里子 松尾英里子


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東京は、やっぱり特別な街だと思う。4年前、アメリカから帰国して驚いたのは、駅や街のきれいさと、コンビニエンスストアの商品のクオリティの高さ、そして、道行く人の小ぎれいさだった。美しく身支度を整えている人が、圧倒的に多い。読者モデルみたいな服装の人があっちにもこっちにもいる。
 

今日も、そんな雑誌に出てくるようなオシャレな女性を見かけた。白いふんわりとしたトップスに鮮やかな黄色のボトムス。形は最近流行っているものだと思う。幼稚園生、たぶん年長さんくらいの子どもの手を引いてゆっくり坂道を下ってくる姿は、真夏みたいな日差しが照り付ける中、とても優雅だった。
 

「ああ、素敵だな・・・」同じママとして、女性として、私も一応思った。でも、ただそう思うだけ。いいなあ、私もあんな服装をしてみたいなという気持ちはちっとも湧いてこないし、新しい服が欲しいという欲も全然出てこない。いつものジーンズに、着馴れたボーダーTシャツを合わせ、汗だくで息を切らしながら坂道を上っていくそんな自分に、ちょっとがっかりした。
 

そうは言っても、毎日はだかで暮らすわけにはいかないし、私もそれなりに服は買ってはいる。街歩きの最中、それこそ駅ビルとかでぱっと目に付いて気になったものを、とりあえず値段だけ見てOKだったら、試着もせずに買う。目にしてから5分後には、もうお店の紙袋を手に、再び歩き出しているくらいのスピード感だ(というのも、我が家の4歳児と2歳児は、母の試着を良い子にして待っていられるほど大人しくはない。そもそも食べ物以外の買い物は、彼らには退屈でしかないらしい)。そんなふうにして買った服が似合っているかどうかは分からないが、買ってしまったのでとりあえず着る。それがここ数年の流れである。

服を買うために出かけ、試着をして、吟味して購入するという一連の流れをショッピングと呼ぶとしたら、私はもう随分とショッピングらしいショッピングをしていない。
 

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