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やる気スイッチは突然に【連載】松尾英里子のウラオモテ

松尾英里子 松尾英里子


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それが! この春、突然息子が字を書き始めた。引っ越しのため転園することになり、ではみんなにお礼のカードを書こうか、という話を息子とした、その時。

ママ、ありがとうって、どうかくの?

〇〇ちゃんのおなまえは、どうかくの?

お手本を私が書くと、それを見ながら同じようにカードに書く。「ん」が「之」みたいになっていたり、「と」と「う」が同じになっていたり、なぜそうなる!? というツッコミどころは満載であったが、明らかに「やる気スイッチが入った」と感じる瞬間であった。

しかも「これはちょっと違うから書き直そうか~?」というと、嫌な顔一つせず、消しゴムで消して、書き直す(ちなみに、子どものみならず、アドバイスや注意を聞き入れる受け皿・レセプターが受け手側にできている、というのはとても大事だと思う。それは即ち、その人が本当にできるようになりたい、成長したい、と思っている証だと思うのだ)。

それにしても、まさかお礼のカード書きが、息子のやる気のトリガーだったとは・・・。思わぬところにきっかけはあるものだ。

 

やる気になった息子の勢いは止まらない。結局、お友達や先生方へのメッセージカードは、32人分を2日かけて書き上げ(一度もやめるとは言わなかった)、徐々に字も上手になっていった。それ以降は、毎日のように作業台のところで画用紙や折り紙に黙々と字を書き、作品を楽しそうに見せてくれる。

おとといあたりからは漢字表の上に寝転がりながら、「青」だの「今」だの、模写するようになった。過去の反省に基づききちんと書くことの優先順位が低くなったため、ハネもハライも、そもそもの字を書く体勢もあったものではないが、何より当人が楽しそうなのがよかった。いやはや、やる気スイッチは突然に、だな。

 

ただひとつ、母からのお願い。油性マジックで、新品のテーブルに「う〇ち」と書くのはやめてください。笑えませんし、消せないんです、本当に。

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