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やる気スイッチは突然に【連載】松尾英里子のウラオモテ

松尾英里子 松尾英里子


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ただ、息子の場合、お友達からお手紙をもらってもほとんど返事は返さず、たまに書いたとしても、謎の曲線がうにょうにょしている、絵とも文字ともとれぬものをお返ししていた。「字、教えてあげよっか?」と私が言っても、「かけないからいい」と言う息子。書く前から書けないと決めつけ、一向に書こうとはしない。ひらがな、カタカナ、なんならローマ字もたぶん読めてはいるのだが、一切書かない。

これはなぜか。実は、ちょっと失敗したな、と思っていることがある。一時期、そう、ちょうどお手紙ごっこが始まった頃、ちゃんとお手紙が書けたら楽しいだろうと思い、息子にひらがなの書き方を教えたことがあった。でもその時に、鉛筆の持ち方、書き順、角度、ハネ、ハライなどなど、初めが肝心とばかりにきちっと教えようとして、「字を書くのって楽しい!」という気持ちを一気につまらなくさせた覚えがある。

恐らく彼は、その時に「自分は字を書くのが苦手だ」という意識を持ってしまったのではないか。苦手なことは人に見せたくない。そのプライドが、彼にこれまで字を書かせなかったのかもしれない、というのが私の推察だ。

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